2007 Fiscal Year Annual Research Report
間隙圧伝播による盛土や緩傾斜地盤の進行性遅れ破壊現象の解明とその予測手法開発
Project/Area Number |
16206048
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
風間 基樹 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (20261597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渦岡 良介 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40333306)
仙頭 紀明 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40333835)
豊田 浩史 長岡技術科学大学環境, 建設系, 准教授 (90272864)
山口 晶 東北学院大学, 工学部, 准教授 (30337191)
清原 雄康 八戸工業高等専門学校, 環境建設工学科, 助教 (20369911)
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Keywords | 地盤工学 / 土砂災害 / 土壌圏現象 / 地質学 / 地震工学 / 液状化 |
Research Abstract |
地震の主要動が終わってから,数分後に盛土や緩傾斜地盤が崩壊する「進行性遅れ破壊現象」が注目されている.2003年5月の三陸南地震と同7月の宮城県北部地震では,相次いで細粒分を20-30%含む砂質の盛土斜面が非常によく似た形態で泥流状になって崩壊した.堆積した土砂は多くの水を含み泥流状になっていたことから,土粒子間隙中の水が関係していることは明白である.本研究はこのような現象の機構解明とこれを予測するための手法を開発することを目的としている.この現象には振動によって発生した過剰間隙水圧が大きく関係し,遅れ破壊は水圧の伝播に時間を要したことが原因であり,これらがこの現象のメカニズムの本筋であると考えられる.本研究の成果は、下記のとおりである. (1)不飽和砂質土の非排気非排水繰返しせん断時の液状化機構を間隙空気圧と土粒子骨格の体積収縮特性に基づいて定量的に評価できる考え方を示すとともに、実験的に実証した.この成果は,不飽和砂質土の液状化機構を解明したことに相当する.(2)飽和砂質土の液状化後の残留変形特性を要素試験から検討し,せん断変形と体積収縮特性がダイレイタンシー特性に関係づけられることを示した.変形性能に基づく液状化抵抗を評価する方法に応用可能である.(3)ジオスライサーと呼ばれる地層抜き取り調査手法を用いて,1964年の新潟地震における液状化時の側方流動変形の痕跡の形態を明らかにした.(4)野外模型盛土地盤の水分量のモニタリングを2年間行って,年間を通じた水分量やサクションの変化を把握した.降雨量による土の水分量変化や蒸発散特性を計測する方法を示した.(5)間隙水圧の伝播や前震による残留過剰間隙水圧を考慮した斜面の動的安定解析コードを開発し,事例解析を行った.
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Research Products
(15 results)