2004 Fiscal Year Annual Research Report
途上国の水起因衛生リスク低減のための持続可能な適正下水処理技術の国際共同開発
Project/Area Number |
16206054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
原田 秀樹 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70134971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 晶良 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70169035)
井町 寛之 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (20361933)
角野 晴彦 岐阜工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助手 (50390456)
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Keywords | 開発途上国 / 公衆衛生リスク / 適正技術 / DHSリアクター / 下水処理技術 / UASBリアクター / 持続可能社会 / 技術移転 |
Research Abstract |
我々研究グループは長年、途上国に適用可能な下水処理技術の開発に携わってきた。UASB法(上昇流嫌気性スラッジブランケット反応器)とDHSリアクター注)(スポンジカーテン担体散水ろ床方式(好気性))を組み合わせた新規下水処理システムは、エアレーション不要・余剰汚泥生成抑制の省エネルギー・環境低負荷型の新規下水処理装置であり、気候の温暖な(嫌気性処理に有利)途上国では、コストの高い活性汚泥法の代替として大きな可能性を秘めている。 現在、インドでは下水処理方式として19箇所の下水処理場にUASB法が採用されている。しかし、UASB法単独では、6割前後の有機物除去率しか望めず、排出基準を満たしていない。そこでインド政府はUASBの後段処理として、我々の研究室が開発したDHS(Downflow Hanging Sponge:下向流懸垂型スポンジ)に着目し、実規模プラント(最大処理量1000m^3/day)を建設した。は、現地に滞在し、長期にわたる連続実験により本下水処理システムの処理性能の把握を行った。 DHS実規模プラントの処理能力の評価は、インド政府がUASBの後段処理として設置している安定化池との比較により行った。下水の平均流入BODは151mg/Lであり、UASBにより51mg/Lまで除去され、DHS処理水では5mg/Lの良好な処理水質を得た。UASBとDHSを組み合わせた全システムのBOD除去率は96%であり、卓越した処理性能を全期間で発揮した。一方の安定化池処理水は41mg/LのBODが残存しており、現行システムの除去率は71%であった。下水の平均ふん便性大腸菌群数は1.0×10^<6.7>MPN100mLであったが、DHS処理水では1.0×10^<4.7>MPN/100mLとなり全システムでは約2オーダーの除去を達成し、DHSシステムは病原菌の除去においても高い能力を示した。また、DHS処理水のDOは5.5mg/Lに達しており、エアレーションが不要にも関わらず、酸素の取り込み能力が優れていることが確認された。
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Research Products
(4 results)