2004 Fiscal Year Annual Research Report
ボロンカーバイドの特異的機械物性-衝撃破壊-の微視的研究
Project/Area Number |
16206064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
CHEN Mingwei 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20372310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 忠昭 物質材料研究機構, ナノマテリアル研究所, 主幹研究員 (40267456)
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60125549)
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Keywords | マイクロラマン / 衝撃や圧力によって誘起される非晶質化 / 超高硬度材料 / ナノ・インデンテーション / 高分解電子顕微鏡(HREM) / 電子エネルギー損失分光(EELS) / ボロンカーバイド |
Research Abstract |
本年度、我々はボロンカーバイド(B_4C)の合成、構造解析及びB_4C単結晶のナノインデンテーション試験、アモフォロジーB_4Cの原子、電子構造を用いてマイクロラマンシステムを設定するなどの計画目標を全て達成した。さらにシリコン(Si)やアルミナ(Al_2O_3)など硬度の高い材料にも研究範囲を広げ、その結果9編(内5編は当研究が直接的に関わる)の論文がScienceやPhysical Review Bなどのジャーナルですでに発表或いは発表が予定されている。 (1)物質合成と構造解析 B_4Cの高品質単結晶を当研究所において光学フローティングゾーン法により製作。X線回折法、透過型電子顕微鏡、ナノインデンターを用い2つのtriple-junction phaseを見つけFe_2B_<103>とTi_3B_4と特徴づけた。また、AlN、Mo_2(C,B)及びグラファイトがボロンカーバイドマトリックスと密接した関係があることが分かった。 (2)マイクロラマン装置の導入と調整 CCD検出器と2μmスポットサイズのレーザーを装備したレニショー社製の顕微ラマン分光器を導入。シリコンの高品質単結晶を用いてシステムを調整。この他、アモフォスSiとmetastable Si-IV間に新規な双方向相転移を発見した。a-Siの原子構造とマイクロインデント内での高い残留応力に関係すると考えられる。 (3)ナノインデンテーションによる高圧テスト Berkovichを装備した島津ダイナミック超微小硬度計を用い、最大150mNの負荷を(104)と(223)のB_4Cに与えたところ(104)がより硬度が高かった。これはボロンカーバイドの異方性によるものと思われる。ラマンスペクトルと残留応力から高圧化での相変態が結晶配向性と関わると分析される。 (4)HREM(高分解電子顕微鏡)とEELS(電子エネルギー損失分光)による評価 衝撃負荷試験により産出されたボロンカーバイドとアルミナの破片をHREMとEELSで観察し、衝撃誘起によるモフォロジー及び電子構造を調べた。特にボロンカーバイドにおいては結晶相と非晶質間の違いが顕著で、アモルフォス化に伴ってはsp3からsp2への炭素原子の電子構造変化を認めた。
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Research Products
(3 results)