2005 Fiscal Year Annual Research Report
長周期積層構造を持つ高強度・高延性マグネシウム合金の開発
Project/Area Number |
16206070
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
河村 能人 熊本大学, 工学部, 教授 (30250814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 倫昭 熊本大学, 衝撃極限環境研究センター, 助手 (50343885)
西田 稔 熊本大学, 工学部, 教授 (90183540)
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Keywords | 長周期積層構造 / 高強度マグネシウム合金 / 急速凝固粉末冶金 / 鋳造 / 塑性加工 / 液体急冷法 / 押出加工 / 希土類金属 |
Research Abstract |
1.急速凝固粉末冶金プロセス研究 (1)新規合金組成の探査 急速凝固薄帯を用いてMg-Zn-Y及びMg-Zn-Gd合金を探査した結果、RE/Zn比(RE:希土類元素)が1.5となる合金組成において両合金とも高い強度を示すことが明らかとなった。これは、RE/Zn比1.5においてα-Mg相と長周期積層(LPO)構造相の二相合金組織が実現するためであると考えられる。 (2)急速凝固薄片固化成形プロセスの最適化 速凝固薄片を熱間押出によって固化成形材を作製する際に加熱脱ガス処理を行い、急速凝固薄片表面に吸着したガス成分の除去を行うが、この脱ガス温度を623K以上で行うことにより、高強度が得られることを明らかにした。 (3)長周期積層(LPO)構造の形成メカニズム LPO構造は、Mg-Zn-Y, Mg-Zn-Gd急速凝固薄片固化成形材両合金において観察されたが、Y含有合金においては18R構造が主であり、Gd含有合金においては、14H構造が主であった。また、これらLPO構造は急速凝固時に形成されるのではなく、押出前の加熱脱ガス中もしくは熱間押出中に形成されることが明らかとなり、特に過飽和固溶体から析出するGdを含む14H型LPO構造の分散状況は押出前後の熱処理によって制御することが可能となった。 2.鋳造強化プロセス研究 (1)新規合金組成の探査 Mg-Zn-Y合金への第四元素添加による更なる高強度高延性化を目指して、組成探査を行ったところ、Zr, Caの添加がLPO構造の形成を促進し、高強度化に有効であることが明らかとなった。 (2)最適熱処理条件の探査 過飽和固溶体から14H型LPO構造が析出するMg-Zn-Gd合金についてTTT線図の作成を行い、LPO形成条件を明らかにした。 (3)鋳造合金の高次複合押出加工条件の確立 Mg_<97>Zn_1Y_2合金をモデル合金として、ECAE加工条件(温度、速度、パス回数、回転方法)を調査し、押出加工条件が組織の配向性や機械的性質に及ぼす影響を明らかにした。
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Research Products
(10 results)