2004 Fiscal Year Annual Research Report
バイオプローブリソグラフィーによるナノ反応場の制御
Project/Area Number |
16206072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高井 治 名古屋大学, エコトピア科学研究機構, 教授 (40110712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 永宏 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00329096)
井上 泰志 名古屋大学, エコトピア科学研究機構, 助教授 (10252264)
穂積 篤 (独)産業技術研究所, 主任研究員
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Keywords | バイオ / 走査型プローブ顕微鏡 / リソグラフィー / ナノ / 化学反応 / 有機分子 |
Research Abstract |
材料表面におけるナノ領域での化学反応制御を試みるために、走査型プローブ顕微鏡(SPM : Scanning Probe Microscope)を用いたケミカルリソグラフィー(CL : Chemical Lithography)およびダイレクトメタルドローイング(DMD : Direct Metal Drawing)による2つのアプローチを行った.CLでは、メチレン基を末端官能基に有する1,7-octadienの有機単分子膜をシリコン基板上に成膜し、SPMにより、メチレン基からカルボキシル基への化学変換を試みた.基板への印加電圧が0V〜+3Vのとき、基板表面の形状変化は認められなかった。一方、ケルビン力顕微鏡(KFM : Kelvin Force Microscope)により表面電位の測定を行った結果、リソグラフィーを行った領域の表面電位がリソグラフィーを行ってない領域よりも低くなった。この表面電位の変化は、表面官能基の変化により誘発された双極子モーメントに起因する。そこで、カルボキシル基と静電的に反応するアミノ基で修飾された蛍光微粒子の吸着試験を行った。その結果、リソグラフィーを行った領域にのみ、アミノ基で修飾された微粒子が選択的に吸着した。この結果は、CLにより、有機単分子膜を劣化・分解せずに、メチレン基をカルボキシル基に変換したことを示す.一方、印加電圧が4V以上になると、基板上に成膜された有機単分子膜が劣化・分解し、SiOxに起因する酸化膜の形成が認められた.DMDでは、SPMにより、水素終端化シリコン基板上でのAu原子の直接描画を試みた.その結果、高さ1nm、線幅100nm前後の細線の描画が可能であった.このAu原子は、化学反応により基板上に結合していることも明らかになった。また、そのAu上にチオール基を末端に有する単分子膜の固定化も行った.これら一連の実験結果から、SPMのプローブにより、ナノ領域での化学反応制御が可能であることが示された.
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Research Products
(6 results)