2006 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物系ナノヘテロ複合体による高反応活性イオン-電子カップリング反応場の構築
Project/Area Number |
16206074
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 周 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (10182437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 透 東京理科大学, 理学部, 助教 (80328559)
尾山 由紀子 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (00345373)
下條 冬樹 熊本大学, 理学部, 准教授 (60253027)
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Keywords | ナノイオニクス / 固体イオニクス / 空間電荷層 / ショットキー障壁 / 軟X線分光法 / 分子動力学 / 電極反応 / 混成電位 |
Research Abstract |
本研究では,精密に制御され棚の空間設計に基づくイオン-電子混合伝導体/イオン伝導体からなるヘテロ接合・接触界面を作製し,その電子構造と電気化学反応特性を実験的に明らかにするとともに,理論的解析により基礎特性を解明し,表面活性型ナノヘテロ複合体の設計指針を得ることを目的としている. (1)ヘテロ界面構造の形成(樋口,山口):RFスパッタ装置により金属薄膜電極を設置した酸化物複合体を試作した.特に電子伝導性透明電極であるITO on Glass電極上,または炭素電極上にCu^+/hole混合伝導体であるCu_2Sおよび金属銅電極をスパッタにより成膜して非対称電極からなるドライセルを作製した.一部の試料は,金属銅電極の電気化学的硫化反応によりCu2S膜を形成し,種々の対向グリッド電極をスパッタにより形成した. (2)ヘテロ界面の電気化学測定(山口,尾山):Cu^+/hole混合伝導体であるCu_2Sを利用してCu/Cu_2S/Metal(C, Cu, Au,ITOなど)という構成の2電極非対称セルを構成し,その電気化学特性を調べた.伝導イオン種を含まないブロッキング電極側では電圧の印加にともなって電気化学的分極が生じ,優勢な欠陥である銅イオン空孔濃度が変化する.これに伴って電子欠陥濃度が変調されるNonstoichiometry-Induced Carrier Modification現象に基づいたキャリア変調モデルを提案し,得られた実験結果を解析した. (3)酸化物表面準位と吸着ガス層の影響(樋口,山口):これまでの研究で特異な電子輸送特性を有することが期待されるBaPr_<1-x>Yb_xO_3の共鳴軟X線非弾性散乱(RIXS)測定ならびに軟X線吸収(XAS)を行い,真空自由表面並びにバルクの価電子帯ならびに伝導帯の情報を得た.(Pr4f)^0(02p)^6〓(Pr4f)^1(02p)^5による強く相関した占有準位と非占有準位が観察された.また表面準位について検討を行った. (4)界面構造緩和・電子構造の計算(下条):第1原理(ab-initio)分子動力学計算を行い,金属/プロトン伝導体/気相の三相海面付近における水素・水の反応をシミュレートした.
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