2006 Fiscal Year Annual Research Report
スーパープレッシャー気球による長時間飛翔システムの開発
Project/Area Number |
16206081
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
斎藤 芳隆 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部大気球観測センター, 助教授 (50300702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 隆正 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部大気球観測センター, 教授 (40013718)
井筒 直樹 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部大気球観測センター, 助手 (90184639)
曽根 理嗣 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部宇宙探査工学系, 助教授 (70373438)
内藤 均 総合技術研究本部エレクトロニクスグループ, 主任開発員 (40270813)
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Keywords | 科学観測気球 / スーパープレッシャー気球 / 衛星通信 / 燃料電池 |
Research Abstract |
科学観測気球は手軽に宇宙実験ができるというメリットはあるが、日昇日陰が繰り返される中緯度帯では飛翔時間が搭載バラスト量によって決まってしまうため、観測時間が数日程度と制限されている。一ヶ月程度の長期間にわたり飛翔させるためには、バラストが不要であるスーパープレッシャー気球の開発が必要である。この気球は、密閉した気球にあらかじめ圧力をかけておき、気球ガスの温度変化に起因する気球体積の変動を小さくおさえる方法である。理論的には成立することが示されており、本研究では実際に製作する方法を確立することが目的である。また、長時間飛翔を行う際には、通信経路の確保、電源供給も従来と異なる方法が必要であり、本研究では、衛星通信を用いた通信方法の確立、気球搭載用の燃料電池の開発を合わせて行ってきた。 本年度もスーパープレッシャー気球を中心に開発を進めた。成果は以下のとおりである。 1.実際に飛翔させる気球の1/3モデルを気球につりさげて飛翔させることで、気球環境下での耐圧性能試験を行い、温度環境の変化による影響を調べた。その結果、必要な耐圧の10倍に相当する圧力に耐えることが実証された。 2.科学観測に用いることができるサイズの気球を製作する際には、上記の試験気球以上の数のフィルムを接着して気球を製作することになり、それが集中する気球頭部、尾部の製作精度が課題となる。習得した技術を用い、実用気球の頭部のみを製作し、そのひずみが十分抑制できることを確認した。 3.昨年度、開発した気球搭載用の小型の自律型燃料電池システムの、温度制御なしでの運転、低気圧下での運転の試験を行った。また、気球実験にて特性を評価するため、センサー類を取り付け、データ収集系を構築した。平成19年度の気球実験により動作実証試験を行う予定である。 4.衛星通信の手段として、将来的にはインマルサットBGANを利用する予定である。本年度は、端末のデモサービスを利用し、アンテナのビーム幅の評価などを通じて、利用の可能性を評価した。
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