2004 Fiscal Year Annual Research Report
Freak Waveに対する衝撃破損限界と回避システムの開発
Project/Area Number |
16206082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
湯原 哲夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30345102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 宏 独立行政法人海上技術安全研究所, 海洋開発研究領域, 上席研究員 (60373411)
影本 浩 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40214275)
大和 裕幸 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50220421)
谷澤 克治 海上技術安全研究所, 海上安全研究領域耐航復元性能研究グループ, グループ長(研究職) (70373420)
鈴木 克幸 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (10235939)
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Keywords | Freak Wave / 破損限界 / 回避システム / 波浪衝撃荷重 / 弾性模型 |
Research Abstract |
Freak Waveとは,海洋に突然現れる巨大な波浪であり,その発生原因は未だ解明されていない.近年のリモートセンシング技術を利用した異常海象の観測や海難事故の調査の結果,Freak Waveは世界各地の海域で頻繁に発生している事が確認されており,これまで原因不明であった海難事故の多くが,Freak Waveによるものであると考えられている.Freak Waveに遭遇する船舶は突発的に有義波高の2倍を超える高さの鋭い波に遭遇する為,破損沈没等の重大な事故となる可能性が極めて高い. Freak Waveによる船舶や海洋構造物の過度な破損・沈没等の重大な事故を防ぐには,Freak Wave下での構造設計基準や回避海象条件を明らかにすることと,Freak Waveに対する回避システムを開発することが必要である.そこで本研究では,1)模型船試験によりFreak Waveによる衝撃力を解明し,2)船体構造性能評価によりFreak Wave下での許容損傷と破損限界を求め,Freak Waveに対する設計基準や危険性・海象条件を定める.そして,3)Freak Wave発生予測モデルを開発し,Freak Waveによる危険性や海象条件,計画航路などを考慮し最適航路を選定するようなFreak Wave回避システムの開発を目指す. Freak Waveに遭遇した時の船体に作用する衝撃力のかかり方は通常考えられている荒波中の状態とは明らかに異なると考えられ,Freak Wave中の船体の状態を明らかにする必要がある.そこで,模型船実験を実施しFreak Wave下での波浪荷重の計測を行った.この時,Freak Waveそのものの発生機構が未解明であることから,Freak Waveを想定した大波に対するケーススタディを行い,Freak Waveのような卓越した大波に突入する際の船体運動,衝撃力の解明を試みた.今回実施した実験は予備試験と位置づけられ,計測された船体応答から実験条件,計測項目,実験精度向上の検討など実験方法の確立,ケーススタディに用いる大波(Freak Waveの候補となる波)の選定,さらには船体の弾性応答までが計測可能な弾性模型船の作成を行った.
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Research Products
(2 results)