2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16206097
|
Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
川合 將義 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (10311127)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗下 裕明 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50112298)
粉川 博之 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (10133050)
渡辺 精一 北海道大学, エネルギー変換マテリアル研究センター, 教授 (60241353)
二川 正敏 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主席 (90354802)
菊地 賢司 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主席 (70354769)
|
Keywords | タングステン / 粒界制御材 / ステンレス鋼 / タンタル被覆タングステン / Nb-Al複合材 / 亀裂伝播阻止機能 / 放射線損傷 / 陽電子消滅法 |
Research Abstract |
衝撃と放射線に強い材料として、炭化チタン分散型の高靭性タングステンをメカニカルアロイング法により開発した。粒界制御材料の粒界腐食への抵抗を高めるため、対応粒界密度を向上する加工熱処理条件を求め、その最適条件を見つけた。表面処理法によって水銀ターゲットの窓材の耐ピッティング特性の向上を図った。その結果、窒素と炭素の密度分布を傾斜させることが効果的であることが分かった。粒界制御材の耐放射線特性を北大の高圧電子顕微鏡(HVEM)で水素イオンを照射して評価した結果、ミクロ的に対応粒界が放射線損傷にも強いという特性を備えていそうであることが分かった。またMW級の核破砕中性子源の固体ターゲットとしてHIP法によって作成したタンタル被覆のタングステン薄板の試験体について、高温加熱と水冷による熱サイクル試験を行った。超音波探傷試験と温度分布から試験体の破損を調べたが、健全性は保たれた。この結果から、上記の方法で作製したターゲットは、交換時の冷却水喪失においても高温加熱の問題を緩和できるものと言える。また、前年度開発した高エネルギーの宇宙塵が衝突時に局所的に高靱膜を形成して微小亀裂の伝搬を阻止する機能を持ったNb-A1複合機能材料の機能発現について北大のHVEMでビーム照射して調べた。その結果、ビーム照射後に高硬度のNbAl_3が局所的に形成され、期待される機能を持っていることが分かった。また、材料の放射線損傷については、上記粒界制御材を通常のステンレス鋼とともにJMTRで照射して陽電子消滅法によって損傷の程度について調べた。その結果、粒界制御材作製の歪み加工や熱処理によってバブル形成の損傷が起こらないこと、一方、JMTR照射によって明らかにバブル形成のあることが確認できた。但し、照射量が少ないために普通のステンレス鋼に比べて耐放射線損傷特性に有意な差は認められなかった。また、スイスのポールシェラー研究所の核破砕場での照射材料の一部について照射後試験を行い、他機関の実験結果も併せて評価した。さらに、2007年1月17,18日に研究会を開催し、当科研費研究をまとめ将来問題も含めて議論した。 粒界制御材、Nb-Al複合材、高靭性タングステンが開発品であるが、試料の誘導放射能の強さから放射線損傷については試験ができなかったものもあり、理論モデル構築を含めて今後の課題として残った。
|
Research Products
(7 results)