2004 Fiscal Year Annual Research Report
アクアトロンを用いた水域生態系における異なる遺伝子伝播経路の解析
Project/Area Number |
16207001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川端 善一郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (80108456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
那須 正夫 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90218040)
遠藤 銀朗 東北学院大学, 工学部, 教授 (80194033)
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Keywords | アクアトロン / 自然形質転換 / 形質導入 / 接合 / 遺伝子伝播 / 遺伝子転移 / トランスポゾン / 接合性プラスミド |
Research Abstract |
平成16年度の研究実施計画はアクアトロンにおける1)マーカー遺伝子の定量的追跡手法の碓立と、2)マーカー遺伝子の溶存・細菌・ファージ分画への分布と残存時間の評価であった。これらの研究計画に基づいて、 1)接合による細菌間の遺伝子伝播を定量化するために、コロニーハイブリダイゼイション法を検討した。遺伝子供与菌(E.coli S17-1)では染色体上のtraG遺伝子、マーカー遺伝子(pBHR1)ではmob遺伝子、遺伝子受容菌(P.stutzeri)では16SrDNAの一部を標的としたDNAプローブを作成した。これらのプローブを用いて寒天平板上に生じた各コロニー中に特定の遺伝子が含まれるかどうか判別した結果、遺伝子供与菌から受容菌へのマーカー遺伝子の伝播が実証できた。 2)細胞内レプリコン間での遺伝子転移を通した接合による遺伝子伝播の可能性を検討した。水銀耐性遺伝子群を持つトランスポゾンTnMERI1から、マーカー遺伝子としてのカナマイシン耐性遺伝子を持つミニトランスポゾンを作成した。このミニトランスポゾンを非接合性プラスミドに組み込み、接合性プラスミドR338を持つE.coli DH1へ導入したところ、ミニトランスポゾンがR338に転移した。更にR338上のミニトランスポゾンが異株E.coli HB101に接合伝達する事が確認できた。 3)ファージによる形質導入を確認するために、マーカー遺伝子としてのトランスポゾンTnMERI1を持つBacillus sp.からファージを誘発させたが、マーカー遺伝子を持つファージは現在の所得られていない。 4)原生動物の捕食により生産される細胞外DNAの形態と自然形質転換能について検討した。その結果、クロモソームおよび大型プラスミド(56kbp)のほとんどが分解されたのに対し、小型プラスミド(5kbp)はほとんど分解されずに細胞外に放出され、形質転換可能な形態であることがわかった。
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Research Products
(6 results)