Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片倉 晴雄 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (40113542)
高橋 英樹 北海道大学, 総合博物館, 教授 (70142700)
齋藤 裕 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (20142698)
矢部 衛 北海道大学, 大学院・水産学研究院, 准教授 (80174572)
柁原 宏 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (30360895)
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Research Abstract |
資源探査や環境汚染の評価に用いられる地球化学解析を実施し地球化学図を作成し,土壌動物相を含め代表的な生物相と比較した.土壌の地球化学分析により計63要素の地球化学図,21要素に区分した土壌動物の種類・個体数マップ,植生区分とあわせた植生記載マップの基礎データを構築した. 表層土壌の地球化学図との関係を検討した結果,多足類について,大黒島の西岸に沿う全炭素量の低いエリアでコムカデ類が優勢であり,一方の東のエリアではムカデ類が優勢であった.ムカデ類は昆虫等を捕食するのに対し,コムカデ類は植物や腐植を食べるという性質の違いがあり,土壌の化学的性質が多足類の生息環境を規制している可能性がある. 全炭素量の低いエリアにおける土壌採取地点では,最も優勢な植物についてフキ,オオヨモギ,イワノガリヤスが植被率40-100%で確認された.従来の植生区分(e. g.,新庄,1981)によれば,同エリアは,オオヨモギ・エゾススキ・イワノガリヤス群落,アキタブキ・オオヨモギ・オオイタドリ群落の組み合わせで示されるのに対して,他エリアはさらに多様性に富み,エゾミヤコザサ・イワノガリヤス群落,樹林が加わる.このほか土壌の化学組成について,生物活動で増加した全炭素量とHg含有量(0.05-0.11ppm)との間で正の相関が確認され,植物が地下から水銀または水銀化合物を吸い上げ,表層土壌への濃集を生じていると解釈される.
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