2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16207008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
笹井 理生 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (30178628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 光則 早稲田大学, 理工学部, 講師 (40313168)
寺田 智樹 名古屋大学, 情報科学研究科, 日本学術振興会特別研究員PD
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Keywords | 粗視化シミュレーション / 機能ファネル / 主成分分析 / エネルギーランドスケープ / 分子モーター / 分子動力学計算 / 大規模構造変形 / 機能発現 |
Research Abstract |
以下の(1)、(2)、(3)について研究の進展が得られた。 (1)粗視化シミュレーション法の長時間運動への適用: 多くの生理的現象は、10〜100ナノメートルに及ぶ蛋白質複合体がミリ秒以上の時間スケールで動作することによって生じる。こうした状況に対応するため、フォールディング研究で開発されたシミュレーション法を拡張して適用した。すなわち、アミノ酸を1つの点で表し、アミノ酸間に有効ポテンシャルが働くと考える粗視化を行うことにより、桁違いに長時間スケールの計算を実行した。この方法をアクトミオシンに適用し、ミオシンがアクチンフィラメント上を動く機構を分析した。数多くのトラジェクトリを分析すると、レバーアーム的な運動を示すもの、偏ったブラウン運動に相当するすべり運動を示すものなどが混在していることが示された。さらにモデルを整備することにより運動機構の本質に迫る道筋が明らかにされた。 (2)粗視化シミュレーション法の開発および主成分分析: アクトミオシンのゆらぎダイナミクスを粗視化されたモデルで計算し、その主成分モードがミオシンの機能と密接に関係していることを明らかにした。 (3)機能ファネル理論の展開: 統計力学的モデルによりPhotoactive Yellow Proteinにおけるシグナル伝達機構を分析した。色素における光吸収が色素から離れた場所のアンフォールディングをもたらす機構を明らかにし、フォールディングの理論を機能発現に適用する方法を開拓した。また、RASの構造転移における経路を分析し、遷移状態での構造の乱れを理論的に予測した。
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Research Products
(6 results)