2004 Fiscal Year Annual Research Report
内在性遺伝子発現制御に関わるRNAi関連分子の機能解析
Project/Area Number |
16207011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
塩見 美喜子 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 助教授 (20322745)
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Keywords | 脆弱X症候群 / 遺伝性精神遅滞 / 機能性RNA / 翻訳制御 / FMR1 / RNAi / miRNA / Dicer |
Research Abstract |
2本鎖RNAによる配列特異的遺伝子発現抑制であるRNA interference(RNAi)は、簡便で強力な遺伝子発現阻害法として遺伝子機能の研究に急速に浸透してきた。最近、RNAi関連分子装置が、特異的なmRNAの分解や翻訳抑制、さらにはクロマチン修飾を通して内在の特定遺伝子発現を制御する事によって、個体の発生や分化に関わる事が判ってきた。 本研究代表者は、以前、精神遅滞を最も高頻度に伴う遺伝性ヒト疾患である脆弱X症候群原因遺伝子FMR1の機能解析を遂行する研究過程において、FMR1タンパク質が、RNAi活性中心であるRISC複合体のコア構成因子と特異的に結合する事を見出した(GD 16:2497-,2002)。FMR1の機能を正しく理解する上において、新規なRNAi関連分子を探索すること、それら因子の詳細な機能を知ること、そしてRNAiの機構自体を解明する事が必須であると考えている。 本研究では、1.RNAi関連分子による遺伝子発現調節機構の解明、2.RNAi関連タンパク質因子が受ける修飾とRNAi反応との相関関係、3.RISC複合体因子の発現が欠損することに起因する特定遺伝子発現動体変化の解析、及び4.RNAi関連分子の遺伝学的相互作用の解析、をサブテーマとして挙げている。 本年度の研究実績として、本研究代表者は、ショウジョウバエにおけるAGO1タンパク質はmiRNA機構に必須であり、その一方、AGO1と高い相同性を示すAGO2タンパク質はsiRNA機能(つまりRNAi)において必須であるという様にお互い機能的に分担していることを明らかにした。また、miRNA前駆体から成熟型miRNAを切り出す酵素Dicer1のパートナーとしてLoquaciousというタンパク質が存在すること、また、このタンパク質がDicer1の機能の調節因子である事を明らかにした。
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Research Products
(5 results)