2005 Fiscal Year Annual Research Report
内在性遺伝子発現制御に関わるRNAi関連分子の機能解析
Project/Area Number |
16207011
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
塩見 美喜子 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 助教授 (20322745)
|
Keywords | FMR1 / 精神遅滞 / RNA / 翻訳抑制 / P-body / RNAi / microRNAs / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
脆弱X症候群は最も頻度の高い遺伝性精神遅滞症でありFMR1遺伝子内CGGリピート伸長によるFMR1遺伝子の転写阻害を起因とする。FMR1はRNA結合蛋白質であり、特定のmRNAを細胞質loci(Stress Granule様)に集積することによってその翻訳抑制を促していると考えられている。翻訳抑制の標的mRNAや分子メカニズムは未だ解明されていない。我々はこれまでに、ショウジョウバエFMR1相同遺伝子(dFMR1)が性行動調節遺伝子lingererと相互作用することを明らかにした。最近、dFMR1及び1ingerer変異体を用いた解析から、dFMR1とlingererの発現の高低によってNMJの形態やbouton数に異常がきたされる事を見出した。現在、その因果関係を分子レベルで解析することを試みている。dFMR1はRNAi因子AGO2とも相互作用する。ヒト細胞において、RNAiやmicroRNAによる遺伝子発現抑制はP-bodyと呼ばれる細胞質lociで起こることが示された。ショウジョウバエ細胞においてもAGO2やlingerer、dFMR1が細胞質中の特定の同一lociに局在する事を明らかにした。これがショウジョウバエStress Granule様lociあるいはP-bodyに相当するか、AGO2やlingerer、dFMR1のlociへの局在がどのような分子メカニズムで起こるか、に関して現在解析を進めている。microRNA経路における必須因子AGO1は、AGO2と共にArgonauteファミリーに属する。AGO1はCG31992タンパク質と相互作用する事を見出した。これら二つのタンパク質は、ショウジョウバエにおけるP-bodyに局在するが、そのメカニズムはAGO2のlociへの局在機構とは異なるという見解を得た。現在、メカニズムの解析を行っている。
|
Research Products
(13 results)