2005 Fiscal Year Annual Research Report
線虫C.elegansの行動制御の分子生物学的解析
Project/Area Number |
16207012
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
桂 勲 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 教授 (00107690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 幸太郎 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 助手 (20370116)
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Keywords | 線虫C.elegans / 行動 / 学習 / 変異体 / 分子生物学 / 飢餓 / 餌 / 忌避物質 |
Research Abstract |
1.匂い物質ブタノンと餌による学習:野生型線虫に餌の存在下でブタノンを嗅がせるとブタノンへの走化性が促進されることを発見し、その変異体olrn-1(ut305)とolrn-2(ut306)を分離し解析している。野生型の虫は2つのAWC感覚神経細胞のうち1つはAWC-ON、もう1つはAWC-OFFだが、olrn-1(ut305)変異体は2つともAWC-OFFだった。AWC-ON細胞を破壊した野生型線虫ではこの行動が異常になることを示し、この行動にはAWC-ON細胞が必要なことを証明した。olrn-2(ut306)の原因遺伝子をクローニングした結果、Bardet-Biedl症候群の原因遺伝子ホモログの1つbbs-8と同じだった。この行動は、感覚繊毛異常変異体の中でbbs遺伝子群の変異体だけが異常であり、AWC-ON細胞での発現で十分だった。2.腸からの飢餓信号による感覚や成長の制御機構:FLR-1イオンチャネルのC末端細胞内ドメイン(予想リン酸化部位を多数もつ)を欠失させると、FLR-1機能欠損とは反対に脱糞周期が異常に長くなったが、この表現型にFLR-4キナーゼは必要だった。このサプレッサー変異を分離している。クラス2flr変異flr-5,flr-6,flr-7の原因遺伝子のクローニングを継続している。3.耐性幼虫形成制御変異体を用いた環境悪化信号の解析:unc-31(CAPS)変異の存在下で耐性幼虫制御が異常になるmrp-1遺伝子の研究をまとめ、発表した。4.忌避物質による学習や行動の変化:忌避物質(オクタノール、ノナノン)での前処理はそれらの物質の忌避を促進させることを発見し、研究している。既知の変異の中でこの行動可塑性が異常な変異をいくつか同定した。5.統合回路や並列回路の遺伝学の理論を継続して研究した。
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Research Products
(1 results)