2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16207015
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
黒岩 厚 名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (20134611)
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Keywords | 食道呼吸器官 / トランスジェニックマウス / Fgf10 / 転写調節 / エンハンサー / Erm / 背腹極性 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
1.Fgf10発現調節に関わるシスエレメントの同定:新たなBACクローンを用いたトランスジェニックマウス系での解析により、肺芽での発現を規定する調節エレメントは、転写開始点の上流-57Kb〜下流の+24Kb領域に存在することが明らかになった。この領域に存在する進化的に保存された4カ所(R1,R21,R31,R32+33)は単独では肺芽特異的なレポーター発現を再現することはできなかった。またR1+R21,R1+R31,R1+R21+R31の組み合わせにおいても同様な結果が得られた。進化的保存領域のさらなる組み合わせと、肺芽エンハンサーを含むプロモーター周辺の段階的欠失による解析を行っている。 2.組織間相互作用を介した発現調節の解析:FGfシグナルによるFgf10発現調節に、転写因子ErmとMAPKシステムがどのように関与しているかを調べるため、Fgf10プロモーター周辺のErm応答性エレメント及びMAPK応答性エレメントについて解析を行った。Erm応答性エレメントはR1領域6.5Kbに複数散在し、特にプロモーター周辺0.2kbにはコンセンサス配列が2カ所あるが、この配列の改変はErm、MAPK応答性に変化をもたらさず、これらの因子の作用が直接的ではないか、これらのコンセンサス配列を介したものではない新しい方式である可能性が示された。 3.食道呼吸器官領域の背腹で異なる発現を示す遺伝子の網羅的解析:GeneChipを用いて、背側(予定食道領域)と腹側(予定呼吸器官領域)で異なる発現を示す遺伝子群を検索した。その結果、シグナル系としては背側にFgf9やレチノイン酸合成系が局在し、BMP4,6は腹側、Wnt4は背側であるのに対してWnt2は腹側に偏在することが明らかとなった。また転写因子ではがBcn1やMeis1背側に、Tcf21やGATA4,Tead3が腹側に偏在することが明らかとなり、これらについては次の段階として、in situ hybridizationによる時間的、空間的発現様式の解析へと展開する。
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Research Products
(3 results)