2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境・運動適応能に関する循環調節系・神経系の解析への光学複合バイオセンサーの応用
Project/Area Number |
16207019
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
河端 隆志 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 助教授 (90195131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮側 敏明 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 教授 (40067252)
伊與田 浩志 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 講師 (10264798)
河端 恭代 京都府立医科大学, 麻酔学教室, 研究員 (70347467)
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Keywords | 光学バイオセンサ / 皮膚血流 / 交感神経活動 / 副交感神経活動 / パワースペクトル解析 |
Research Abstract |
初年度(平成16年度)は、形態性を持ったデータコネクタの作成と光学複合バイオセンサーの機械設計を行うことであった。そして、計測部であるデータロガーを導入したコネクタを完成させた。また、工学部にてセンサの作成を行いその完成に準じて、能力検証を行った。平成17年度は、初年度作成したデータコネクタの検証を行うために安静時のデータを収集した。そして、近赤外線センサを用いたデータの解析では、780nmの波長でプローブ出力を2mWattとして行った。この波長による測定は、これまで皮膚血流の測定に用いられていたものである。そして、この出力波形を血流波と脈派とに分離することを試み、その結果分離することが可能となった。さらにピーク値を検出することにより、検出波形からHF波;High frequencyおよびLF波;Low frequencyを算出することにより、自律神経系の評価を行うことの可能性が示唆された。これにより、ひとつの波形を分離することにより血流波と脈波を検出することができた。 そこで今年度は、光学皮膚血流センサを用いて熱および運動、精神性ストレスに対する生体適応能について、循環系機能の指標である皮膚血流量および脈波の連続同時計測により調べた.実験結果から得られた容積脈波よりピーク間隔であるR-R間隔を求め、高速フーリエ変換スペクトル解析をすることで、生体適応能の働きの一部である交感神経活動の指標を得ることができた。また、計測された容積脈波を処理した速度脈波の波高からも、交感神経活動の指標を得ることができた。そこ結果を以下にまとめる。 ・実験条件の場合、熱、運動ストレス負荷によって皮膚血流量は、こめかみ、耳、前腕各部位でも増大することが計測された。 ・本研究での計測では、皮膚血流にノイズとして含まれる容積脈波の波高を最も安定して計測できる部位はこめかみ、耳、前腕のなかで耳であった。 ・容積脈波を抽出することで、自律神経系の交感神経活動の指標を得ることができた。計測された容積脈波のピークを検出することにより、通常心電図波形から得られたR-R間隔を求めることができた。求められたR-R間隔の直線補間して作成された等間隔の時系列データを高速フーリエ変換して得られるパワースペクトルの分布から、交感神経活動に影響するLF成分を確認できた。しかし、0.1Hzより大きな周波数帯の分布をみることは非常に困難であり、副交感神経活動の影響するHF成分を確認することはできなかった。
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Research Products
(1 results)