2004 Fiscal Year Annual Research Report
鱗翅目昆虫の性決定の分子機構-特に性染色体によるdsx遺伝子のスプライシング制御
Project/Area Number |
16208006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嶋田 透 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20202111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 広明 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助手 (80222660)
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Keywords | doublesex / W染色体 / 性特異的スプライシング / 染色体変異 / 限性品種 / 形質変換昆虫 / トランスポゾン / イントロン |
Research Abstract |
Bmdsxとdsxのpre-mRNAは共に性特異的スプライシングを受けるものの、両反応は異なる機構によって調節されていると考えられている。Bmdsxは6つのエクソンと5つのイントロンから構成され、第3および第4エクソンが雌特異的エクソンである。ただし、選択的スプライシングに関与する第4イントロンが40kb以上と長大であり、反応調節機構の解析を困難にしている。そこで本研究では性特異的スプライシング機構解明の第一歩として、エクソンとスプライス部位に近傍のイントロンのみで性特異的スプライシングを再現することが可能か否かを調べた。すなわち、Bmdsxの第1〜第5エクソンの間に、左右数百塩基ずつ残した第2・第3・第4イントロンを挿入してミニ遺伝子を作製し、それをie1プロモーターの下流につないだ。piggyBacを用いた形質転換系により、このコンストラクトを導入したトランスジェニックカイコを作出した。得られた形質転換個体の雌雄それぞれの脂肪体よりRNAを調製し、RT-PCRによりトランスジーン由来の転写産物を調べた結果、本来のBmdsxと同様に、ミニ遺伝子の転写産物も性特異的にスプライシングされていた。したがって性特異的スプライシングにイントロンの全長は必要ではなく、今回用いたミニ遺伝子の配列内に、性特異的スプライシングを実現するために十分な情報が含まれていることが明らかになった。 一方W染色体の解析をさらに進めるために、大規模な雌特異的RAPDの探索を行った。約4000種類の10-merの任意プライマーを用い、ゲノム解析の標準型として使用されているp50系統の雌雄のゲノムDNAを鋳型にPCRしたところ、新たに9個のW染色体特異的RAPDを得ることができた。いくつかW染色体の染色体異常をもつ系統を用いて、これらW染色体特異的RAPDの位置関係を推定した。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Partial deletions of the W chromosome due to reciprocal translocation in the silkworm Bombyx mori.2005
Author(s)
Hiroaki Abe, Motoaki Seki, Fumi Ohbaqyashi, Nobuhiko Tanaka, Jun-ichi Yamashita, Tsuguru Fujii, Takashi Yokoyama, Michiyoshi Takahashi, Yutaka Banno, Ken Sahare, Atsuo Yoshido, Jun-ichiro Ihara, Yuji Yasukochi, Kazuei Mita, Masahiro Ajimura, Masataka G. Suzuki, Toshikazu Oshiki, Toru Shimada
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Journal Title
Insect Molecular Biology (In press)
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