2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16208008
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大崎 満 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60168903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
信濃 卓郎 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (20235542)
渡部 敏裕 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (60360939)
小山 博之 岐阜大学, 農学部, 助教授 (90234921)
俵谷 圭太郎 山形大学, 農学部, 助教授 (70179919)
和崎 淳 北海道大学, 創成科学共同研究機構, 特任助教授 (00374728)
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Keywords | 酸性土壌 / 根分泌物 / 分泌性タンパク質 / 有機酸 / アルミニウム / ムシラゲ / 菌根 / 根圏 |
Research Abstract |
酸性土壌において最も顕著な影響を及ぼすリン栄養に関して、モデル植物のイネを中心としたトランスクリプトーム、プロテオーム手法による解析と、根分泌物に関する解析を進めた。トランスクリプトーム、プロテオーム解析では、実際の根が遭遇するであろう局所的なリン栄養の積極的な吸収機構に関与すると予想される現象を解明するために低リン状態においた植物にリンを与えた時の体内の遺伝子の応答を解析した。約100種類の遺伝子が大きく変動しており、リンの吸収のみならず、特に糖代謝系の大きな変動が認められた。また、低リン栄養に対して根から分泌される化合物には有機酸、タンパク質があるが、有機酸の分泌量に対してPEPC遺伝子が関与していることを示した。分泌タンパク質に関する網羅的解析から分泌タンパク質は修飾が多いことが判明した。また、多糖類がストレスに応答して分泌されることから、特に多糖類の分泌能が高い熱帯性の植物を中心としてその役割についての解析を進めた。その結果、植物種により、分泌多糖類の性質が異なり、特にアルミニウムイオンの吸着能に違いが存在することを見いだした。分泌制御を行うための発現プロモーターの解析を行うため、ルーピン根分泌性酸性ホスファターゼのデリーションシリーズを構築して、シロイヌナズナへの形質転換を進めた。また、低リンイネで発現が誘導されるOsPI1遺伝子をReal Time PCRで定量した結果、リン欠乏根で極めて多量に発現しており、強力な発現プロモーターの候補として有望であることを示した。クエン酸チャネルに関しては、ニンジン培養細胞からサブトラクションライブラリーを作成して、細胞膜結合性などを指標に、候補遺伝子を絞り込んだ。次年度に向け、RNA iベクターを作成中である。一方、シロイヌナズナのアルミニウム耐性QTL遺伝子座に見出したリンゴ酸トランスポーターは、発現と耐性の関係を品種間差解析を利用して解析した。
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Research Products
(7 results)