2005 Fiscal Year Annual Research Report
木材劣化生物を用いた保存処理木材のバイオプロセッシングと新規エネルギーの創成
Project/Area Number |
16208017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉村 剛 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (40230809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 隆司 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (80201200)
本田 与一 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (70252517)
藤井 義久 京都大学, 大学院農学研究科, 助教授 (10173402)
土居 修一 筑波大学, 生命環境科学研究科, 教授 (20279508)
青柳 秀紀 筑波大学, 生命環境科学研究科, 助教授 (00251025)
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Keywords | 保存処理木材 / バイオプロセッシング / 木材劣化生物 / シロアリ / 木材腐朽菌 / 水素 / エタノール発酵 / 腸内微生物相 |
Research Abstract |
(1)木材劣化生物を用いたバイオガスの効率的生産と探知技術への応用 餌の抗生物質処理によってシロアリから4倍以上の水素発生率が得られることを見出し、高効率で水素を発生する通性嫌気性細菌Enterobactor cloacaeをシロアリの腸内より単離することに成功した。また、水素発生菌の検索のため、カワラタケ、チョークアナタケ、イドタケなどの数種の木材腐朽菌を収集し、それぞれの菌の適切な培養条件を検討した。 木材腐朽菌や腐朽木片から発生するガス濃度をニオイセンサと水素選択性センサによって検出するとともに、腐朽の過程における圧縮強度を計測し、水素やニオイの濃度との関係について検討した。また、シロアリから発生する水素を換気条件下で検出し、水素濃度の時間変化を計測するとともに、野外におけるモニタリング・ステーション内でのシロアリの活動によって発生する水素およびメタンの検出を行い、その可能性を実証した。 (2)シロアリ腸内微生物相の効率的培養法の確立 イエシロアリと共生微生物の関係を「餌-シロアリ-腸内微生物叢」系という一つのシステムとしてとらえ、餌成分のコントロールが可能な人工餌を開発し、餌成分を適切に制御して、イエシロアリに摂食させる事により、腸内微生物叢を餌成分の分解に特化した微生物叢に変化させる事が可能となった。また、難培養性であるイエシロアリの腸内共生原生動物(S.leidyi)の長期間培養法を開発した。 (3)効率バイオマス変換性木材腐朽菌の分子育種 高機能性木材腐朽菌における分子育種システムの確立を目指して、リグニン分解性担子菌Pleurotus ostreatus(ヒラタケ)を用いて、高分子リグニンをも直接分解することが可能な多機能型のマンガンペルオキシダーゼを高発現する遺伝子組換え体を複数単離し、高分子色素PolyR-478や難分解性の環境汚染物質ベンゾaピレンの分解能が増強されていることを確認した。
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Research Products
(7 results)