2006 Fiscal Year Annual Research Report
深海熱水環境からの超好熱古細菌ゲノム資源の大規模収集とその産業技術への応用
Project/Area Number |
16208020
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
左子 芳彦 京都大学, 農学研究科, 教授 (60153970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石野 良純 九州大学, 農学研究院, 教授 (30346837)
高井 研 海洋研究開発機構, 極限環境生物圏センター, グループリーダー (80359166)
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Keywords | 深海熱水孔 / 超好熱菌 / 古細菌 / ゲノム / 遺伝子資源 / 耐熱性酵素 / ホーミングエンドヌクレアーゼ / ヒドロゲナーゼ |
Research Abstract |
(1)海洋研究開発機構の深海調査船を用いて、小笠原トラフに位置する水曜海山および明神海丘の深海熱水孔(深度1300m,300℃)における微生物の分布・生態を調査した。rRNA遺伝子解析を用いたDNAクローン法と実際の分離培養法を用いて、本環境に特徴的な好熱微生物の分布調査を行った。その結果、独立栄養性の多様な新規水素細菌群が見出されまた多くの新種を分離した。また新規鉄呼吸細菌の存在を明らかにした。 (2)深海熱水孔から分離された超好熱古細菌Aeropyrum caminiを好気的に大量培養して得られた菌体から、各種カラムクロマトグラフィーを用いて耐熱性のヒドロゲナーゼを精製した。本酵素(H2ase)の固定化を詳細に検討し交互積層法により電極に固定化して80℃、1.5Vの通電をしたところ、10・molの水素ガスを発生した。長崎県橘湾にて分離されたA.pernixTB株はA.caminiの5倍以上ものH2ase総活性を有していることを発見し、それは成熟化機構あるいはそのアミノ酸配列に拠るものであることを明らかにした。 (3)超好熱古細菌Thermoproteales目に属する新種株のrRNA遺伝子に、複数の新型のホーミングエンドヌクレアーゼ遺伝子をコードするイントロンを見出し、発現後新規酵素の機能・耐熱性・基質認識性を詳細に検討した。本酵素群は、およそ20塩基対長の偽回文様配列を認識切断し、遺伝子組み換えやレアカッターとしての応用が期待された。
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Research Products
(3 results)