2005 Fiscal Year Annual Research Report
食品由来りリスクの解析と管理、情報交換、教育に関する総合的研究
Project/Area Number |
16208022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
新山 陽子 京都大学, 農学研究科, 教授 (10172610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日 文子 医薬品食品衛生研究所, 食品衛生管理部, 室長 (40183777)
筒井 俊之 動物衛生研究所, 疫学研究部, 室長 (70391448)
功刀 由紀子 愛知大学, 経営学部, 教授 (60167385)
矢坂 雅充 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (90191098)
高鳥毛 敏雄 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20206775)
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Keywords | 食品安全 / リスクアセスメント / リスクコミュニケーション / リスク認知 / 情報処理プロセス / クライシス解析 / 費用・効果分析 / 専門家育成 |
Research Abstract |
5つの課題に関して以下の成果をあげた。(1)筒井・春日は、と畜場におけるBSE検査月齢の変更と危険部位の除去が人の健康に与える影響を明らかにするため、確率モデルを用いて定量的なリスク評価を行うとともに(学会誌掲載、国際会議報告)、2004年の日本の高病原性鳥インフルエンザの発生状況と防疫対策の評価を行った。また、国連機関によるワークショップ、国際会議などに出席し、海外のリスクアセスメント手法について情報収集を行った。(2)昨年の研究協力者柳浦の構築した高病原性鳥インフルエンザにおける風評被害発生メカニズムの記述モデルをもとに、渋谷・小澤は、セルラーオートマトン法による反応拡散系モデルを用いたモデリングを試みた。(3)関沢は、関係者間のQ&Aによるリスクコミュニケーションを実施し改善をはかった。新山は研究協力者の佐藤、西川、三輪らとともに、選択型実験により食品購買時の過剰情報が消費者の選択を混乱させることを実証し、また、認知科学的枠組みにより消費者の食品表示情報処理プロセスの仮説を立て、観察法、言語プロトコル分析法を用いた実証分析を行い、認知制約の下で、簡略化された情報処理が行われていることを検証した(学会報告)。また、リスク認知の国際比較分析のために文献収集を行い、これまでの知見、調査分析手法をまとめ、ワーゲニンゲン大学、イギリスInstiturte for Food Researchの研究者と議論を行い、仮説立案と調査方法に関する準備を行った。(4)清原は、食品安全管理の評価指標をまとめ、牛乳製造工程のHACCPについて費用効果分析を行った(学会報告)。矢坂は、牛・牛肉トレーサビリティの信頼性に関する評価を行い課題を指摘した(雑誌掲載)。松本は、コンプライアンス経営をめぐる社会環境の変化と食品企業の対応状況をとりまとめた。高取毛は、食中毒、食品由来の感染症対策のための、保健所を中心とした公衆衛生システムについてドイツで調査を行った(専門誌掲載)。(5)功刀は、リスクアセッサー、マネージャーに要求される資格、資質をまとめ、オランダ、イギリスの大学におけるカリキュラムを検討し専門家教育の課題を提示した。
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Research Products
(4 results)