2006 Fiscal Year Annual Research Report
家畜福祉を考慮した飼育環境並びに輸送環境総合評価法の確立
Project/Area Number |
16208027
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 衆介 東北大学, 大学院農学研究科, 教授 (80136796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 直重 玉川大学, 農学部, 助教授 (90138602)
石崎 宏 畜産草地研究所, 放牧管理研究チーム, 主任研究員 (10370579)
藤田 正範 広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 教授 (20124802)
植竹 勝治 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (00312083)
瀬尾 哲也 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (40301973)
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Keywords | 家畜福祉 / 評価法 / 輸送 / 脳内物質 / 生理指標 / 対人反応 / 逃走距離 / 常同行動 |
Research Abstract |
1.家畜福祉飼育総合評価法の開発(行動指標) 改良ANI法を作成し、家畜共済事故記録および牛群検定成績表と改良ANI法による福祉レベルとの関連性を検討した。牛群の福祉レベルの上昇が、疾病を減少させ乳質や繁殖成績の向上に貢献した。同時に、5 freedomsを手段、管理、反応から評価するシステムを開発した。放牧牛の逃走距離測定法の策定のため、測定条件が逃走距離に及ぼす影響を検討した。逃走距離は接近方向に影響されなかった。時速4kmでの接近時の逃走距離と比較して、時速1kmでは2/3倍、時速7kmでは1.5倍となり、接近速度の影響が大きかった。給餌前は後より短くなり、畜舎パドックより放牧地で長くなった。 2.家畜福祉飼育総合評価法の開発(生理指標) オピオイド4物質の大脳濃度は低く、明瞭な日内変動が間脳で認められた。4物質は光線明期に大きく変動し、その変動は覚醒時の多様な情動を反映していた。特に、ヒスタミン濃度とGABA濃度は外部環境に対する積極的な反応に由来する「環境対応的変動」と考えられた。β-エンドルフィンとエンケファリン濃度は光線明期に漸増的に推移した。特に、β-エンドルフィン濃度は内部環境に由来する「自発的変動」と考えられた。 3.家畜福祉輸送総合評価法の開発 RSPCAの福祉標準に基づき、福島県本宮家畜市場において、家畜(肥育素牛、子牛)輸送の福祉評価を実施した。北海道十勝家畜市場から栃木県佐野市の牧場への長距離輸送を対象に、子牛の行動・生理・生産指標に基づくストレス評価を行った。さらに、黒毛和種2010頭、交雑種922頭を対象として、市場内での牛の対人反応性の個体差に影響する要因の解析を行った。黒毛和種では種雄牛、日齢、地域および旋毛形状が対人反応性に影響した。交雑種では日齢が影響した。また出荷された肉用牛における飼育時の常同行動発生個体において内臓疾患発生率が有意に高いことが示された。
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Research Products
(19 results)