2004 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン様活性を調節する新しい細胞内メカニズムの解明
Project/Area Number |
16208028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 伸一郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00197146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伯野 史彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30282700)
永田 晋治 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40345179)
西原 真杉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90145673)
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Keywords | インスリン / インスリン様成長因子 / サイトカイン / 細胞内シグナル / インスリン受容体基質 / チロシンリン酸化 / ツーハイブリッドスクリーニング / プロテオミクス |
Research Abstract |
本研究では、IGF-I受容体/インスリン受容体チロシンキナーゼの基質であるIRS-1あるいはIRS-2に相互作用し、自身のチロシンリン酸化や下流シグナルを修飾する分子を網羅的に同定することを目的としている。本年度は、IRS-1をbaitとして、3T3-L1脂肪細胞をはじめとした種々の細胞のcDNA libraryをpreyとしたyeast two-hybrid screeningを行い、複数種のIRSと相互作用する分子をコードする遺伝子の取得に成功した。このうちいくつかの分子は、脂肪細胞をサイトカインで処理した際に、IRS-1のインスリン依存性チロシンリン酸化の抑制に関与することが示唆された。一方、トロピックホルモンによりIGFシグナルの増強が観察されるFRTL-5甲状腺細胞の抽出液より、抗IRS-2抗体を用いてIRS-2と共免疫沈降されるタンパク質を網羅的にMALDI-TOF MS分析で調べたところ、シャペロン分子や同時にIGF-I受容体とも相互作用する分子などが同定された。更に、L6筋管細胞の細胞抽出液をゲル濾過クロマトグラフィーに供し、抗IRS-1抗体でimmunobloblottingを行ったところ、IRS-1は、自身の分子質量180kDaより高分子質量領域(700kDa付近)に溶出されることがわかり、細胞内でIRSが巨大な複合体を形成していることがあらためて明らかとなった。また、ラットのIGF/インスリンの標的臓器である肝臓、筋肉、脂肪組織などから抗IRS-1抗体で共免疫沈降されるタンパク質を二次元電気泳動で解析したところ、臓器によってIRSと相互作用するタンパク質のパターンは大きく異なることもわかった。以上の結果より、臓器特異的にIRSと相互作用するタンパク質は複数種あり、これらの組み合わせが刺激によって変動することにより、IGF/インスリンシグナルが修飾されると考えられた。
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Research Products
(2 results)