2006 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン様活性を調節する新しい細胞内メカニズムの解明
Project/Area Number |
16208028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 伸一郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (00197146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伯野 史彦 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (30282700)
永田 晋治 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (40345179)
西原 真杉 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (90145673)
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Keywords | インスリン / インスリン様成長因子 / サイトカイン / 細胞内シグナル / インスリン受容体基質 / チロシンリン酸化 / ツーハイブリッドスクリーニング / プロテオミクス |
Research Abstract |
本研究は、IGF-1受容体/インスリン受容体チロシンキナーゼの基質であるIRS-1あるいはIRS-2に相互作用し、自身のチロシンリン酸化や下流シグナルを修飾する分子を網羅的に同定することを目的としている。今回、IRSと相互作用する分子として、ゴルジ体からエンドソームへの移行に重要な役割を担うAP(adapter protein)複合体の構成分子、細胞膜からエンドソームへの移行に重要な役割を担うAP複合体の構成分子、膜ラフトへの局在に何らかの役割を果たしているNedd4、細胞質にとどまるために機能していると考えられる14-3-3、また核輸送を担っているimportinβなどの同定に成功した。これらの分子に結合したIRSは、それぞれエンドソームの回り、細胞膜付近、細胞膜ラフト構造、細胞質、核に局在していることが明らかになりつつある。これまで、IRSは細胞膜付近に存在し、IGF-1受容体/インスリン受容体チロシンキナーゼにチロシンリン酸化されることによって細胞内にシグナルを伝達すると考えられていたが、我々の研究成果も含め、インスリン/IGFの代謝制御活性の発現には、シグナルが細胞膜近傍だけではなく、エンドソームにも伝えられる必要があることが指摘されてきている。このように我々の研究成果は、細胞内でIRSは異なる細胞内トラフィッキングタンパク質と相互作用して特定の部位に輸送され、その部位に特徴的な複合体を形成、特異的な作用を発現・調節しているという全く新しい機構の存在の可能性を強く示している。
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Research Products
(5 results)