2005 Fiscal Year Annual Research Report
天然アレロケミカルを範とする環境調和型農薬及び新規医薬品シーズの開発
Project/Area Number |
16209001
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宍戸 宏造 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20006349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新藤 充 九州大学, 先導物質科学研究所, 助教授 (40226345)
藤井 義晴 農業環境技術研究所, 生物環境安全部, 研究リーダー (10354101)
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Keywords | アレロパシー / セスキテルペン / ヘリアンヌオール / ヒマワリ / エナンチオ選択的合成 / 植物生育阻害活性 / 細胞毒性 / 大腸癌 |
Research Abstract |
ヒマワリより単離されたヘリアンヌオール類は、特異な炭素基本骨格を持つアレロパシー活性セスキテルペンである。平成17年度は、前年度に引き続き(1)ヘリアンヌオール類を中心とした広範な天然アレロケミカルの効率合成の追求と、(2)それらの生物活性評価を目的に研究を行い、以下に示す成果を挙げた。 (1)ヘリアンヌオールD,G,H,及びヘリアンヌオール類の生合成全駆体と考えられるヘリビサボノールA及びBの合成を検討し、これら5種全ての全合成に成功した。さらに、ヘリアンヌオールG,HならびにヘリビサボノールA,Bの提出構造式が誤りであることを明らかにし、前3者の正しい構造を合成によって決定することができた。 (2)ヒマワリの種子に含まれるアレロケミカル、サンディバーシホリドの効率的別途エナンチオ選択的全合成に成功した。 (3)Penicillium Brevicompactumより単離されたアレロケミカル、ブレビオンA,Bの初めてのエナンチオ選択的全合成に成功した。 (4)ヘリアヌオール類及び新たに合成したサンディバーシホリドが植物に及ぼす影響の種間差を調べるために、レタス(双子葉植物)を用いて生物検定を行った。試験した化合物は、最も強い活性を示すと報告されているヘリアンヌオールA類縁体4種、非天然型ヘリアンヌオールD及び(+)-サンディバーシホリドの計6種である。レタスに及ぼす影響を調べた結果、天然型エナンチオマーがやや強い植物成育阻害活性を示したが、全てにおいて強い植物成育阻害活性は認められなかった。 (5)アレロケミカルの医薬品シーズとしての可能性を探る目的で、ブレビオンC及びその類縁化合物について細胞毒性評価を行った。その結果、ブレビオンCのオレフィンを1個だけ還元した化合物にヒト大腸癌細胞増殖抑制活性のあることが明らかになった。
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Research Products
(9 results)