2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16209015
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡田 保典 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00115221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 栄二 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30232177)
藤井 豊 福井医科大学, 化学, 助教授 (80211522)
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Keywords | MMP / ADAM / 腫瘍浸潤・転移 / 組織破壊 / 活性化 / 心筋梗塞 / グリオーマ |
Research Abstract |
本研究では、細胞外や細胞膜上で働くメタロプロテアーゼ(matrix metalloproteinase=MMPとa disintegrin and metalloproteinase=ADAM)の組織破壊性疾患での役割を明らかにすることを目指しており、今年度得られた主な研究成果は以下の通りである。 (1)ヒトグリオーマにおけるADAMTS-1,4,5の発現を調べ、ADAMTS-5がグリオブラストーマ細胞において活性型酵素として特異的に発現することを明らかにするとともに、脳の主要プロテオグリカンであるブレビカンを切断し、強制発現すると浸潤能が亢進することを証明した。 (2)MMP-2ノックアウトマウスと野生型マウスにおいて急性心筋梗塞を作製し、後者にMMP-2選択的インヒビターを投与した結果、心筋梗塞後の生存率はノックアウトマウスとインヒビター投与群で著明に改善した。野生型マウスの主要死因は梗塞部心筋破裂であり、ノックアウトマウスとインヒビター投与群では心筋破裂は完全に阻止されており、梗塞後の壊死心筋周囲の細胞外マトリックス分解と心筋の脆弱性がこれらマウス群で強く抑制されていた。本研究データは、MMP-2の活性が心筋梗塞後のリモデリングに重要であることを示すとともに、MMP-2インヒビターが心筋梗塞後の心破裂予防に役立つ可能性を示唆している。 (3)潜在型MMP-7と結合し細胞膜上でその活性化に関わる分子としてテトラスパニンの1分子であるCD151を見出し、基質存在下での潜在型MMP-7の活性化機構を明らかにした。また、MMP-7の活性を特異的に検出するin situ zymography法を確立した。
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Research Products
(7 results)