2005 Fiscal Year Annual Research Report
プリオン蛋白構造解析に基づくバイオインフォーマティクスによるプリオン病治療薬開発
Project/Area Number |
16209017
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
片峰 茂 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40161062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑田 一夫 岐阜大学, 人獣感染防御研究センター, 教授 (00170142)
西田 教行 岐阜大学, 人獣感染防御研究センター, 助教授 (40333520)
伊藤 敬 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90306275)
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Keywords | プリオン病 / プリオン蛋白 / プリオン類似蛋白 / 遺伝子改変マウス / 海綿状変性 |
Research Abstract |
構造生物学的情報(NMRによる遅い揺らぎの測定等)に基づき,我々はそのような熱的に不安定な残基に囲まれた部分に選択的に結合する薬剤を,In Silicoスクリーニングにより探索し、プリオン感染モデル,(培養細胞)において抗プリオン活性を示す化合物(GN8)を見出した。GN8の抗プリオンメカニズムを明らかにするために、(1)計算機シミュレーション、(2)正常型立体構造を有するマウス組換えプリオン蛋白質(PrP)の作製、(3)GN8の有機合成、(4)組換えPrPとGN8との相互作用の測定を行った。その結果、正しくαヘリックスを巻いている正常型PrPと合成したGN8が実際に結合することが証明できた。また、GN8の有機合成ルートを構築できたので、今後GN8に自在に化学修飾を施すことが可能となった。 CN8の抗プリオン効果をマウスモデルを用いて評価した。Fukuoka1株を脳内接種したマウスに、接種後40-90日の期間、生理的食塩水、GN8(250ug/kg/day)、ペントサン(PPS;200ug/kg/day)を脳内持続注入しマウス(n=6)の生存期間で効果を判定した。生食水投与群の生存期間(124±7days)に比しPPS投与群(156±20days;p=0.001)には及ばないもののGN8投与群の生存期間は有意に延長し(142±19days;p=0.035)、GN8のin vivo効果が碓認できた。 粗視化した分子動力学計算を用いPrPの正常型から異常型への立体構造変換過程を詳細にシミュレーションした。その結果、GN8の結合が正常型PrPの揺らぎを阻止し立体構造を安定化させることにより、異常型への変換を阻止していることが強く示唆された。
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Research Products
(7 results)