2004 Fiscal Year Annual Research Report
アディポネクチン受容体の生理機能・情報伝達機構と病態生理学的意義
Project/Area Number |
16209030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門脇 孝 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (30185889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 敏正 東京大学, 医学部・附属病院, 寄付講座教員(客員助教授) (40372370)
植木 浩二郎 東京大学, 医学部・附属病院, 研究拠点形成特任助教授
戸辺 一之 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (30251242)
原 一雄 東京大学, 医学部・附属病院, 科学技術振興特任教員 (50359600)
窪田 直人 東京大学, 医学部・附属病院, 寄付講座教員(助手相当)
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Keywords | 糖尿病 / インスリン抵抗性 / AMPキナーゼ / PPAR / アディポカイン / 受容体 / 肥満 / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
AdipoR1・R2の発現制御を明らかにする目的に、先ず生理的・病態生理学的な条件下での発現量の変化を検討した。骨格筋・肝臓におけるAdipoR1・R2の発現量は絶食で増加し、再摂食で低下し、血糖値、インスリン値と逆相関する傾向を認めた。ストレプトゾトシンによるインスリンの枯渇と高血糖によりAdipoR1・R2の発現量は増加し、高血糖に対するインスリン治療により低下したことより、インスリン値と逆相関している可能性が考えられた。実際、インスリンの添加により、骨格筋・肝細胞においてAdipoR1・R2発現量が低下するのが認められた。この作用はPI3キナーゼ阻害剤・恒常的活性化型Foxo1により抑制されたことより、これらの分子を介したものであることが示唆された。ob/obマウスの骨格筋・脂肪組織においては、AdipoR1・R2の発現量が低下し、それと共にアディポネクチンの膜分画への結合、AMPキナーゼ活性化が低下した。AdipoR1・R2発現量がインスリン/PI3キナーゼ/Foxo1によって制御されていること、及びAdipoR1・R2発現量がアディポネクチン感受性制御に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。また肥満でアディポネクチンが低下してインスリン抵抗性が惹起された状態では、高インスリン血症、あるいはインスリン抵抗性や肥満そのものによりAdipoR1・R2も低下し、さらにアディポネクチン作用が低下するという"vicious cycle"が形成されている可能性も示唆された。AdipoR1R2の発現レベルを回復させた後に、リガンドの補充を行うことが最も理想的な治療法となる可能性が示唆された(J.Biol.Chem.279:30817-30822,2004)。アデノウイルスと遺伝子欠損マウスを用いてAdipoR1とR2が生体内において、アディポネクチンの受容体として機能し、AMPKとPPARαの活性化に重要な役割を果たすことを示した(平成17度中に公刊予定)。AdipoR1に特異的に結合する分子を同定し、その中の2つの分子がAMPKの活性化に重要な役割を果たすことを明らかにした(平成17度中に公刊予定)。
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Research Products
(7 results)