2005 Fiscal Year Annual Research Report
粥状動脈硬化発症・進展からプラーク破綻へ至る分子機構の解明
Project/Area Number |
16209031
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北 徹 京都大学, 医学研究科, 教授 (60161460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 浩二 独立行政法人, 国立病院機構京都医療センター, 部長 (50283594)
久米 典昭 京都大学, 医学研究科, 講師 (20252455)
堀内 久徳 京都大学, 医学研究科, 講師 (90291426)
荒井 秀典 京都大学, 医学研究科, 講師 (60232021)
田中 誠 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00271007)
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Keywords | 動脈硬化 / 酸化LDL受容体 / 血小板 / LOX-1 / 顆粒放出 / インテグリン / プロスタグランディン / ケモカイン |
Research Abstract |
本研究では、粥状動脈硬化発症・進展からプラーク破綻へ至る分子機構の分子的解明を目的としている。分担研究者久米らはヒトLOX-1を血管内皮および平滑筋細胞にて強発現するトランスジェニックマウスを作成し、動脈を外膜側から塩化鉄を塗布することにより形成される動脈血栓モデルを用いて、血栓形成により可溶型LOX-1の切断と血中への放出が著増することを明らかにした。分担研究者横出、荒井、久米らは可溶型の新規スカベンジャー受容体SR-PSOXがケモカインCXCL16と同一の分子であり、このCXCL16にはCXCR6発現リンパ球の遊走のみならず、血管内皮細胞の増殖と管腔形成を促進し、血管新生を促進することを明らかにした。さらにこの血管新生にはシグナル伝達分子であるMAPキナーゼ(ERK)が関与することを明らかにした。これらの成果はケモカインCXCL16の新たな生物学的機能を示すものと考えられ、今後さらに分子機構の解明と生体レベルでの意義の解析を行う。分担研究者堀内は血小板活性化における顆粒放出及び、顆粒放出機構を形質膜透過型血小板を用いた解析系を確立し、分子生物学的手法を用いて解析いている。顆粒放出では、顆粒放出制御因子として独自に見出したRab27 GTPaseと放出促進因子Munc13-4の研究を進めた。そして、Rab27は被活性時の血小板において、ほとんどは活性型であり、顆粒放出とともに、非活性型となることを見出した。またMunc13-4は小児の家族性血球貪食症候群の原因遺伝子となっており、我が国のグループとともに解析した。分担研究者中邨らはマウス動脈硬化モデルの動脈硬化巣においてfibulin-5 mRNAの発現が増強しており、肺高血圧モデルであるS100A4/Mts1マウスの肺においてもfibulin-5の発現が著明に増加していることを見出した。
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Research Products
(33 results)