2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分裂と細胞分化の調節における転写因子STATと低分子量G蛋白質のクロストーク
Project/Area Number |
16209032
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北村 俊雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20282527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野阪 哲哉 東京大学, 医科学研究所, 寄附研究部門教員(客員助教授) (30218309)
中島 秀明 東京大学, 医科学研究所, 研究拠点形成特任教員(特任助教授) (30217723)
川島 敏行 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10306839)
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Keywords | 核移行アッセイ / STAT3 / STAT5 / インポーチン / Rac1 / 細胞質分裂 / GAP / RhoA |
Research Abstract |
これまでの基盤研究で我々はMgcRacGAPおよびRac/Cdc42/Rhoが、M期ではRho-GAPとして細胞質分裂において、一方の間期では転写因子STAT3/5の活性化を介してRac/Cdc42-GAPとして細胞分化および増殖において重要な働きをすることを明らかにしてきた。今年度はRac1を欠損するマウス線維芽細胞(MEF)を利用してSTAT分子の核移行にRac1がどのように関与するかを調べると同時に、細胞フリーの核移行アッセイの確立を通じて、STAT3/5核移行のより詳細な分子メカニズムを解析することを目指した。 まずMEFを利用した実験系において、STAT3およびSTAT5の核移行にはRac1の存在が必要であるが、Rac2の存在は必要ではなかった。その後、Rac1欠損MEFでRac1変異体を導入するなどの詳しい解析を行おうとしたが、Cre-lox系でRac1を欠損させると遺伝子導入が全く働かなくなってしまうことが判明し、それ以上の実験は困難であった。そこで、細胞フリーの核移行アッセイを確立して、詳細な解析を行うことを目指した。実験では、細胞膜を多孔化して細胞内蛋白質を洗い流したHeLa細胞にF9細胞系で精製した、Rac、MgcRacGAP、STAT3/5、インポーチンなどを添加することによりSTAT分子の核内移行メカニズムを調べることを試みた。当初、実験結果が安定しなかったが、この理由は精製蛋白質の安定性の問題であることが判明した。最近は、すべての組換型蛋白質を要事調整するようにして系が安定した。今後、この実験系を利用してSTAT3/5の核内移行の分子メカニズムを明らかにすることが期待できる。
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Research Products
(6 results)