2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16209036
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
岡安 隆一 独立行政法人放射線医学総合研究所, 宇宙放射線防護プロジェクト, チームリーダー (50356135)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 滋 重粒子医科学センター病院, 医長 (80311380)
安藤 興一 重粒子医科学センター, 粒子線治療生物研究グループ, グループリーダー (00159526)
窪田 宣雄 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (20046139)
|
Keywords | HSP90阻害剤 / 放射線増感剤 / 17AAG / 癌細胞 / 正常細胞 / 非相同末端結合 / RNA干渉 / DNA ligase IV |
Research Abstract |
1.正常細胞に比べ癌細胞に高い親和性を示すHeart shock protein(HSP)90蛋白の阻害剤を用いた実験:HSP90阻害剤で毒性が低いとされるgeldanamycin(GA)の類似体の17-allylamino-17-demethoxygeldanamycin(17AAG)を用い、癌細胞、正常細胞での毒性試験を行った。その結果17AAG濃度100nM付近が最適と確認した。この濃度でX線照射による増感作用を検討、ある種の肺癌細胞(SQ5)で明らかな増感を認めた。それに反し、同条件でも膵臓癌の細胞(BxPC)ではほとんど増感が観測されず、放射線増感は、癌細胞の由来に関係していることが示唆された。さらに正常細胞では17AAGの増感は最小であることも確認できた。現在は他のHSP90阻害剤である、deguelin,SH-6等の毒性試験、増感作用のスクリーニングを行っている。さらにGA系の薬品が、いかに増感作用を示すかの機構解明のため、X線照射後のDNA二重鎖切断修復の度合いをガンマH2AX等の手法を用い調べているが、現在のところ、この修復系のうち、非相同末端結合は薬品投与後もほぼ正常であることを確認した。また非相同末端結合修復欠陥細胞を用いた実験では,100nM 17AAG投与後、やや増感が観測されたことから、相同組み換え修復系が阻害されている可能性が浮上し、現在確認を行っている。これらの結果は現在学会発表、投稿準備中である。 2.RNA干渉を用いた放射線増感実験:非相同末端結合修復に関与する蛋白DNA ligase IVのsiRNAをデザインし、それを用いてX線による放射線増感をまず正常ヒト細胞で確認した。この結果と染色体、免疫染色による修復阻害も含めての論文は現在審査中である。 (以上の他、2論文投稿・審査中)
|
Research Products
(4 results)