2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16209037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
川口 章 東海大学, 医学部, 助教授 (30195052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲井 邦彦 東北大学, 医学部, 助教授 (00291336)
福島 昭二 神戸学院大学, 薬学部, 助教授 (80248103)
灰田 宗孝 東海大学, 医学部, 教授 (20208408)
田邉 晃久 東海大学, 医学部, 教授 (10119688)
木ノ上 高章 東海大学, 医学部, 講師 (30234313)
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Keywords | 人工酸素運搬体 / リポゾーム封入ヘモグロビン / 一酸化窒素含有ヘモグロビン重合体 / 過フッ化炭素化合物 / 微小循環 / 梗塞 / 循環不全 / 酸素療法 |
Research Abstract |
1)三種類の人工酵素運搬体の比較 リポゾーム封入ヘモグロビン(LEH)が有効であった、A)脳梗塞、B)心筋梗塞、C)創傷治癒(*)において、一酸化窒素ヘモグロビン(SNO-PEG-Hb)や過フッ化炭素化合物(PFC)の効果を検討している。 2)大動物での検討 サル脳梗塞モデルにおいてPETで検討した結果、LEHは大脳皮質の酸素消費量の改善をもたらした。 3)他の循環不全での有用性の検討 上記病態以外の疾患モデルにおいてLEHの効果を検討している。 D)がん放射線療法増感 マウス担癌モデルで腫瘍抑制効果の機序を放射性同位元素で検討している。 E)局所性循環不全 ラット下肢を外部から緊迫しLEHを投与して核磁気共鳴装置(NMR)で観察したところ、投与直後から高エネルギー燐酸の増加と細胞内pH上昇などの改善が見られた。 F)不整脈抑制効果 イヌ虚血心筋において心室頻拍・細動の誘導闘値を検討したところ、LEHは空リポゾームに比べて不整脈の誘導闘値を明らかに上昇させ、虚血心筋の心室頻拍を抑制した。 4)酸素療法としての有用性の検討 人工酸素運搬体を用いた「酸素療法」としての用量効果関係をLEHを段階希釈して検討したところ、A)創傷治癒(*)とC)脳梗塞においては、0.2%(5倍希釈)、0.04%(25倍希釈)で1%の場合と変わらない効果が認められ、0.008%(125倍希釈)では生理食塩水との有意差はなかったことから、LEHは体重当たり0.04%(50kg成人では20ml)で有効と推測された。 5)生体安全性についての検討 動物において安全でも人体における安全性は確定できない。 東海大学免疫学研究室と共同でヒト免疫系を持つ特殊マウスを作成し、そのマウスにLEHを投与して免疫機能への影響を検討したところ、一回投与後2日および7日では、末梢血リンパ球や肝・脾・リンパ節に特段の変化を認めなかった。 6)LEHを創傷治癒促進剤(*)として特許申請した(2004年12月)
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Research Products
(10 results)