2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16209037
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
川口 章 東海大学, 医学部, 助教授 (30195052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲井 邦彦 東北大学, 医学部, 助教授 (00291336)
福島 昭二 神戸学院大学, 薬学部, 助教授 (80248103)
灰田 宗孝 東海大学, 医学部, 教授 (20208408)
田邉 晃久 東海大学, 医学部, 教授 (10119688)
木ノ上 高章 東海大学, 医学部, 講師 (30234313)
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Keywords | 人工酸素運搬体 / リポゾーム封入ヘモグロビン / NO含有ヘモグロビン重合体 / 過フッ化炭素化合物 / 微小循環 / 梗塞 / 再還流 / 酸素療法 |
Research Abstract |
A)リボソーム封入ヘモグロビン(LEH) A-1脳梗塞モデルにおいて酸素親和性を変化させ段階希釈して検討したところ、低親和性LEH(1-LEH)は2ml/kgまで、高親和性LEH (h-LEH)は0.08mL/kgまで有効であったため、α)高親和性の方が脳保護に有効であること、β)LEHによる酸素供給が保護効果の原因と推測された。サルで中大脳動脈閉塞3時間・再還流モデルでのPETでの観察期間を3時間(0日目)と8日目までとすると、1-LEH(2ml/kg)投与群は生食対照群に比較して、(1)高次神経機能が保護され(1日目)、(2)大脳皮質の酸素およびブドウ糖消費量が有意に高く(0,8日目)、(3)組織学的な梗塞範囲も有意に抑制(0,8日目)される顕著な保護効果が判明した。ヒトヘモグロビンを免疫組織化学染色してLEHの所在を検討すると、組織的にも酸素消費量でも障害のあった大脳基底核に集中して沈着していた。一方、神経細胞樹状突起にみられるMAP2蛋白は大脳皮質に存在し大脳基底核には欠如するという逆の局在パターンを示したため、LEHが虚血部位を還流して酸素供給することで保護効果を発揮し、基底核の虚血障害→脳血管内膜機能の低下→LEH漏出・・という上記仮説(β)が間接的に裏付けられた。 A-2創傷治癒促進効果も段階希釈して検討し、h-LEHは0.4ml/kgでも有効なことが判明した。 A-3虚血肢の保護効果を核磁気共鳴装置で検討すると、虚血肢の細胞内アシドーシスや再還流後の細胞内エネルギー代謝を改善し、組織学的にも筋組織が温存されることが分かってきた。 A-4ヒト免疫系再構築マウスおよび通常マウスにおいてLEH大量投与・反復投与の免疫学的反応を観察したが、LEHに起因すると思われる有意な変化は認めなかった。 B)過フッ化炭素(PFC) 80%酸素を用いてPFCの効果をラット脳梗塞モデルで検討したが、有意な効果は見られなかった。 C)SNO-PEG一ヘモグロビン(SNO-PEG-Hb) 上記ラットモデルでSNO-PEG-Hb(高親和性)の脳保護効果は、10および2ml/kgでは全く認められなかったが、段階稀釈により0.4mL/kgでの有意な保護効果が認められ0.08ml/kgでは再び消失した。
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Research Products
(11 results)