2004 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織再生能を有するナノハニカムシートによる心筋再生治療法の確立
Project/Area Number |
16209042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
澤 芳樹 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (00243220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 暉 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00028614)
宮本 裕治 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80229898)
福嶌 教偉 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30263247)
高野 弘志 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70346196)
市川 肇 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60303939)
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Keywords | ナノハニカムシート / 生分解性多孔体足場 / 心筋再生治療法 |
Research Abstract |
最近、我々は、生分解性多孔体足場(スキャホールド)に、細胞を播種せず、細胞外基質のみをseedingし、移植することにより、再細胞化が起こり、最終的には自己組織化し、その場所で組織再生による治癒が起こる可能性を発見した。今回、我々は組織再構築法の開発と移植法の開発、ナノ構造を有する自己支持性パターン化フィルムを導入技術とし、以下の研究課題を検討する。まず骨格筋等の細胞培養に適したハニカム構造を有する自己支持性パターン化フィルムを作成し、そのハニカム上において骨格筋芽細胞を培養し、フィルム両面における細胞の挙動を詳細に観察しながら培養条件などを中心に検討を行った。血管内皮前駆細胞、及び血管新生因子をハイカムの接着面の構成細胞として用い、グラフト内の血管構築を増強さ、血管構築を増強させることにより、vitroでの心筋片の酸素透過性を向上させ、よりvitroにおいて重厚な高機能化心筋グラフトを作成した。続いて作製した骨格筋グラフトを心筋梗塞モデルラット、または大動物に移植した。心筋グラフトとレシピエント心筋との各種接着蛋白の発現、vivoにおける心筋グラフトのviabilityの評価、レシピエント心との電気的結合、耐久性、機能改善の評価を行った。研究開発の成果については、研究当初に予定していた(1)作成した三次元心筋様組織が移植に適した自己拍動性・同期収縮性を有すること。(2)人への臨床応用において必要とされる、(A)三次元心筋様組織のサイズ(5×5cm程度)および(B)細胞の生着数(1.0×106個以上)の予定は達成された。細胞を効率的にデリバリーできるため播種細胞数を縮小でき、通常困難とされる細胞ソースの増幅過程における作業の大幅な削減が可能となる。さらに、今回の成果をさらに前進させることにより自己拍動性・同期収縮性を有するグラフトすなわち‘高機能化心筋グラフト'が実用化されれば、不整脈を生じる恐れの少ないより効果的な治療法を提供することができる。以上より、本成果は新しい心臓治療方法の実現への足がかりとなることが期待される。
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