2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨リモデリングユニットを標的としたハイブリッド型新規薬物治療の開発
Project/Area Number |
16209053
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大谷 啓一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10126211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下川 仁彌太 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80014257)
青木 和宏 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (40272603)
高橋 真理子 東京医科歯科大学, 歯学部, 教務職員 (90334440)
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Keywords | 破骨細胞 / 骨吸収 / TNF / RANKL / リウマチ / 歯周病 / ナノ・ゲル / ミニポンプ |
Research Abstract |
前年に骨吸収抑制効果を確認したTNF受容体アンタゴニスト(WP9QY)に関してさらに検討を加えた。WP9QYは生体内では不安定ですぐに効果が認められなくなるが、この点を克服する目的でミニポンプを用いて、持続的に少量のペプチドが体内に移行する系の開発を行なった。各種病態モデルにおいてラット背部皮下にWP9QYを入れたミニポンプを埋入して、その効果を探索した。Collagen投与によるリウマチ疾患モデルでは関節部に起こる炎症とそれに続いて発症する骨破壊を抑制することが認められた。また関節部以外に発症する2次的な骨吸収(marginal bone loss)も抑制することが示された。S.mutans菌を頭部に投与して起こす、歯周病原菌惹起性骨吸収モデルにおいて、ミニポンプに入れたWP9QYは頭蓋骨に発症する炎症および骨吸収を抑制した。したがって、WP9QYを持続的に投与することにより、ペプチドの不安定性を補い、薬理効果を最大限発揮できることが明らかとなった。骨吸収抑制作用を示すハイブリッド型薬物の担体として、本学生体材料工学研究所にて開発されているCHP-ナノ・ゲルに注目して、WP9QYとの親和性について基礎的研究を行なった。WP9QYはpH7程度で凝集を起こして溶解することが困難になるが、ナノ・ゲルと混和するとpH6.5においても凝集することなく、溶解性を保つことが分かった。今後このCHP-ナノ・ゲルとWP9QYハイブリッドの薬理効果をin vivo系にて研究する予定である。
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Research Products
(2 results)