2007 Fiscal Year Annual Research Report
癌抑制に関与するクロマチン転写制御機構と口腔癌における制御異常
Project/Area Number |
16209054
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
池田 正明 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (20193211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 やよい 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (00202903)
大谷 清 東京医科歯科大学, 疾患遺伝子実験センター, 講師 (30201974)
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Keywords | 口腔癌 / アポトーシス / p53 / 癌抑制遺伝子 / クロマチン構造変換 / DRIL 1 / 核マトリクス / 細胞増殖 |
Research Abstract |
本研究は、癌抑制遺伝子の転写制御の分子機構を明らかにし、口腔癌細胞における転写制御異常を解析することを目的とする。本年度の実績は以下の通りである。 (1)既に癌抑制遺伝子p53の制御に重要なPMLタンパク質が核マトリクス結合因子DRIL1と直接結合することを明らかにしている。本年度はDNA障害で誘導された内在性p53が内在性DRIL1と結合することを見出すとともに、p53とDRIL1がin vitroで直接結合する知見を得た。 (2)口腔癌細胞株癌におけるp53の制御異常について、セリン46のリン酸化障害がp53のアポトーシス誘導に対する口腔癌細胞株の抵抗性獲得に重要であることを既に報告している。本年度、DRIL1とp53を同時にp53抵抗性細胞株に導入するとアポトーシスが誘導されることを見出した。さらにp53のリン酸化非依存性にp53を直接活性化する化学物質ニュートリン3を用いてさらに解析し、ニュートリン3存在下でもp53によるアポトーシス誘導にはセリン46のリン酸化が必要であることを見出した。 (3)siRNAを用いたDRIL1ノックダウン実験の結果、p53の機能が著しく抑制されることを見出している。さらに詳細に解析するため、導入効率の高いアデノウイルスを用いてshRNA発現ベクターを用いて実験をおこなったが、十分なノックダウン効果が得られなかった。現在、使用するベクターをより長期間の発現に優れたレンチウイルスベクターに変更して解析をおこなっている。 (4)既に代表的なp53標的遺伝子の一つであるp21遺伝子プロモーターのDRIL1結合配列に変異を導入すると、DRIL1およびp53によるp21プロモーターの活性化が著しく低下することを見出している。そこでp53結合配列に変異を導入したところ、DRIL1による転写活性化が阻害されることを見出した。その結果、DRIL1とp53は互いの転写制御に重要な役割を担っていることが明らかになった。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Inhibitory effect of CT domain of CCN3/NOV on proliferation and differentiation of osteogenic mesenchymal stem cells, Kusa-A12008
Author(s)
Katsuki Y, Sakamoto K, Minamizato T, Makino H, Umezawa A, Ikeda MA, Perbal5 B, Amagasa T, Yamasuchi A, Katsube K
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Journal Title
Biochem. Biophys. Res. Commun. 568
Pages: 808-814
Peer Reviewed
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