2005 Fiscal Year Annual Research Report
巨大河川の環境変動が社会環境へ及ぼす影響評価-メコン川流域の場合-
Project/Area Number |
16251001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
春山 成子 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (10267461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
漆原 和子 法政大学, 文学部, 教授 (00101329)
堀 和明 名城大学, 理工学部, 講師 (70373074)
大倉 博 防災科学技術研究所, 防災基盤科学技術研究部門, 主任研究員 (20414394)
松本 淳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80165894)
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Keywords | メコン川 / 環境変動 / 社会変動 / リモートセンシング / 気候変動 / 堆積物 / オールコアボーリング / 完新世 |
Research Abstract |
2004年現地調査のトンレサップ川流域における2本のオールコアボーリング調査によって得た土壌サンプルを用い、完新世のメコンデルタ内陸部の堆積物分析を行い、その結果を取りまとめた。2005年度ではカンボジア地質調査所、堀和明、平出重信を中心にカンボジア領内のメコンデルタで、プノンペン周辺及びトンレサップ湖岸低地において、乾期の12月においてオールコアボリングを行い、地形環境形成を明らかにするための基礎作業を終えた。今年度では地層構成を明らかにするために、電気探査を併用し、15本の測量線で探査を行った。現地調査で得た土壌サンプルは日本に持ち帰り土色、粒度分析、珪藻分析、花粉分析などの堆積環境シグナル検出のための分析を行った。雨期の8月には、春山、大倉を中心として、リモートセンシングデータとしてJERS 1 SARおよび、ランドサットTMデータを用いて、河川氾濫域と洪水モニタリングのための、環境解析にかかわる基礎作業として、現地で聞き取り調査を行った。このような基礎調査にあわせて、プノンペンの農業省に雨期、乾期の農業作付け暦とどのような関係があるのかについての社会環境変動の調査を依頼し、現地で氾濫が与える社会への影響調査を行った。 カンボジア・トンレサップ湖及び湖岸低地では洪水時にメコン川が順流・逆流する地域であり、メコンデルタ内陸部では4つの地形環境に分類できることがわかった。また、トンレサップ川流域の最近の洪水被害が地形環境の改変に依存していることも明らかになった。一方、松本はハノイ、ヴィエンチャン、バンコクに資料収集を目的として現地調査に入り、気候環境要素の資料の収集及び現地での研究者との研究打ち合わせを行い、一部の気候変動解析を行った。これらの現地調査資料を用いて翌年度の調査計画を立てた。これらの研究内容は2006年3月に開催される日本地理学会春期大会で発表を行った。
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Research Products
(5 results)