2006 Fiscal Year Annual Research Report
アジアにおける住宅・都市復興と被災都市の社会・空間変容に関する比較研究
Project/Area Number |
16252002
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中林 一樹 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (80094275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
饗庭 伸 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助手 (50308186)
市古 太郎 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助手 (10318355)
池田 浩敬 富士常葉大学, 環境防災学部, 教授 (80340131)
澤田 雅浩 長岡造形大学, 造形学部, 講師 (00329343)
米野 史健 国交省国土技術政策総合研究所, 住宅研究部, 研究員 (60302965)
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Keywords | トルコ北西地震 / 台湾集集地震 / 新潟県中越地震 / 阪神・淡路大地震 / 震災復興 / 住宅再建 / 地震保険 / 活断層 |
Research Abstract |
近年、アジアでは多くの地震災害が発生した。そのうち、日本では阪神・淡路大震災(1995)、新潟県中越地震(2004)、トルコ北西地震(マルマラ地震:1999)、台湾集集地震(1999)を取り上げて、地震災害からの都市と住宅の復興過程の実態と関連する法制度の比較研究を行ってきた。震災復興は、被災した現地での再建復興(現地復興)と、被災して地区を離れて行う住宅や生活の再建復興(移転復興)がある。いずれの国でも、災害復興に当たって、現地復興と移転復興が行われているが、そこには対照的な復興過程が存在することが明らかになった。 日本では自力復興を原則とし、持家層は現地復興を基本に、被災現地が危険な状況にあるなど移転が望ましい場合にのみ移転復興が行われる。しかし、借家層は多くが被災した現地を離れて近傍あるいは遠隔地の借家や公営住宅に個別に移転復興を行っている。現地復興では、土地区画整理事業などの都市復興の推進と、区分所有の集合住宅の再建に、都市部の震災復興の特徴的な課題が見られたが、中山間地域の復興では、現地復興を原則としながらも、孤立した集落などでは集団移転による移転復興が選択されている実態が明らかとなった。 他方トルコでは、被災現地は地盤条件が悪いために被害が大きくなったという基本認識のもと、被災現地に対して建築制限を指定するとともに、建物自己所有層に対して住戸及び事業所1戸分を郊外に新設し、特別分譲するという移転復興を基本対策として震災復興を進めてきた。その結果、自己住宅が被災したわけではない借家層に対する住宅再建に関する公的支援対策は基本的になく、集合住宅が多く被災した現地復興も遅れている現状が明らかとなった。 台湾では、被災地が変位した断層近傍地帯と震源域直上の中山間地域で、その震災復興が原則として現地復興である。しかし、地震に引き続き多発した台風災害による複合災害化のため、土石流などによって現地復興が不可能となった集落などが移転復興を余儀なくされている。しかし、台湾の震災復興の最大の特徴は、民営型の重建基金会が地域社会の生活再建や区分所有の集合住宅の再建などの取り組みをまちづくり(社区営造)として支援し、新たな復興手法を創設して、柔軟に震災復興を進めていったことである。 また、このような3地域の震災復興過程における特徴を比較研究するとともに、トルコ及び台湾では、事例的に市街地の復興現状をGISに基づく写真等のデータベース化を試みた。
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Research Products
(4 results)