2004 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯林とともに住む人々のヒューマン・セキュリティーに関する研究-東南アジアとアフリカの地
Project/Area Number |
16252004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 繁男 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (40353685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 健一 国立民俗学博物館, 地域研究企画交流センター, 助教授 (80222644)
松林 公蔵 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (70190494)
門司 和彦 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (80166321)
市川 光雄 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (50115789)
山越 言 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (00314253)
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Keywords | 森林資源 / 森林荒廃 / 森林減少 / 糖尿病 / 人口増加 / コーヒ栽培 / 人口移動 / デング熱 |
Research Abstract |
ギニア南部の森林地域に点在する中・小規模の森林保護区を訪れ、森林・野生生物の保全状況と、近隣での人々の資源利用の相互関係についての概要を把握した。そのうちの数ヶ所で、人々の歴史的な森林利用と現在の森林構成とのあいだにバオバブとセイバなど樹種選択に象徴的植林の関連が見られ、今後の集中調査の可能性を認識することが出来た。森林資源に対して地域住民が盗伐を行い、燃材として利用することによる過度の伐採が見られ、森林の荒廃が顕在化しつつあることが認められた。 東チモールではコーヒー栽培の現状とその歴史に関する調査をおこない、独立後の地域住民の生活にとって重要な生業の一つとなっていることが明らかになった。 ラオスのサバナケット周辺地域ならびにタイのコンケン地域在住高齢者それぞれ約300名について、疾病の既往、日常生活機能、ライフスタイル、生活価値観、神経行動機能、血液検査を実施した。その結果、当該周辺地域では、アジアの他の地域以上に糖尿病の有病率が高いことが明らかとなり、その原因と生態学的関連について引き続き調査を継続する。 ラオス・サバナケット県・ソンコン郡・ラハナム地区全6村(人口約4000名)について村人を集め、ここ20年間の土地利用の変化、森林の減少、人口増加、人口移動、保健問題、環境問題にかかわる迅速調査を実施した。1990年以降、生活水準は上昇し、人口も増加していたが、森林は減少していた。また、1村について各世帯の水容器中の蚊の幼虫調査を実施し、デング熱の発生リスクを検討した。アフリカにおいてはケニア(ナイロビ・中央医学研究所とタベタ>とタンザニア(モシ・キリマンジャロクリスチャン医療センター、ダルエスサラーム・アムレフ、モロゴロ・JICA保健強化プロジェクト・イファカラ保健研究センター)を訪問し、来年度以降の共同研究(住血吸虫、マラリア、HIV/AIDS)について協議した。
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Research Products
(7 results)