2006 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯林とともに住む住民のヒューマンセキュリティーに関する研究
Project/Area Number |
16252004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 繁男 京都大学, 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (40353685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉島 敬志 京都大学, 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (80196724)
阿部 健一 京都大学, 地域研究統合情報センター, 助教授 (80222644)
松林 公蔵 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (70190494)
山越 言 京都大学, 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (00314253)
門司 和彦 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (80166321)
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Keywords | 家計 / 非木材生産物 / 生活水 / 神経変性疾患 / 高齢者 / 生活環境 / マラリヤ / エコツーリズム |
Research Abstract |
ラオス・ナムター県のルアンナムター市(41戸)とナムハー村(19戸)で家計を調査した。収入の主たるものはルアンナムター市では商業について農業(水稲)であった。ナムハー村では農業(陸稲)と非木材生産物であった。支出ではルアンナムター市では食料についで衣服類で、特徴的な支出は生活水・電気・教育・貯金であった。ナムハー村では衣服類と食料であった。最近ではソーラーパネル利用の家電の購入に支出が増加していた。最近この村では中国からの仲買人が多量の非木材生産物を購入することによって、陸稲の生産量の増加ででなく、森林から過度の非木材生産物採取が行われた結果である。ニューギニア島の固有の疾病はクルー、脳嚢虫症、そして神経難病である。 2006-2007年に同地域の調査を行い、神経変性疾患の実態と高齢者の健康度を、本邦高齢者との比較のもとに明らかにした。西ニューギニア地域のおよびバデ周辺の、主に、Auyu族、Yakai族の村で診察と聞き取り調査を施行した。その結果、調査の対象地域の人口は、7000人で、65人(0.9%)の住民を診察し、そのうち41人が神経疾患を有していた。神経疾患はパーキンソン症候群6例(15%)、運動ニューロン疾患および関連疾患7例(17%)、脳血管疾患10例(24%)、他の神経疾患は16例であった。 サバナケット県の中のベトナム国境に近いセポン郡の少数民族Tri族の小集落Kalouk-KaoとKalouk-Maiで調査した。2006年8月の調査時の人口は20世帯117名と17世帯89名であり、主生業は焼畑農業(7年周期)と家畜飼育である。ほぼ100%自給自足で、食事は陸稲のもち米と茄でたタケノコが主であった両集落とも3年前から電気が来ており、合計で7世帯が使用していた。水源は前者では2つの井戸、後者は渓流を利用していた。この地域では雨季にはダイラスハマダラカがマラリアを媒介し、乾季にはコガタハマダラカがマラリアを媒介するため、1年を通して感染が持続していることが確認された。ニュージーランドでエコツーリズムのあり方と生態資源保全の調査をした。森林資源を生態資源と象徴資源の両面から把握し、先進域と発展途上域との比較が必要であった。
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Research Products
(7 results)