2007 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯林とともに住む住民のヒューマンセキュリティーに関する研究
Project/Area Number |
16252004
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 繁男 Kyoto University, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (40353685)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 勇 京都大学, 東南アジア研究所, 名誉教授 (80093334)
阿部 健一 京都大学, 地域研究統合情報センター, 准教授 (80222644)
松林 公蔵 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (70190494)
山越 言 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (00314253)
門司 和彦 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (80166321)
|
Keywords | 荒廃熱帯林の修復 / 生活エネルギー / 感染症 / 高齢者の生きがい / 動物と人間との関わり / エコツーリズム / 泥炭湿地林 / 景観管理 |
Research Abstract |
西アフリカ・ギニアにおいて森林からの薪と木炭の利用は日常の生活エネルギーを得るための重要な資源である。薪や木炭の利用を首都コナクリからセリンバラまでの約1000kmについて調べた。その結果、村人は全ての樹種を薪や木炭として利用していた。薪は自家消費だけでなく、生業分業した村(どの村も)で一束1000FGから2000FGで売られていた。世帯では1日に直径5cm-10cmの薪を5本から10本消費している。また、木炭は家計にとっての重要な副収入で20Kgの袋が5000FGから18000FGの価格でギニア全土で売られていた。薪の消費量は19.59m3/年/世帯に消費される。この薪を1ヘクタールの森林から採取するとしたら、持続的な薪の供給は対象の森林の成長量が19.59m3でなければならず、普通の森林の成長量は10m3/year以下であり、より広い森林が必要となる。生活の安全保障をかなえるためには、荒廃した森林を修復し、持続的に薪・木炭の利用を可能としなければならない。また、ラオスでの研究では人類は自然とともに暮らしており、その環境から切離して健康や生存を考えても意味がない。Human Securityとは、Human and his environmental securityである、熱帯モンスーン地域に住む人たちは、その環境を改変し、熱帯モンスーン林を利用して焼畑をするか、あるいは、開墾して天水田に依存し、近年では灌漑水田を作り生活している。しかし、それらは原風景である熱帯モンスーン林とは切っても切れない関係にある。そのような環境と生業の中で熱帯アジアのモンスーン地域に住む人びとの健康と疾病のプロフィールが形成される。この地域は近年、急激に変化しており、その中での健康と生存への影響をみる視点が大切である。
|
Research Products
(10 results)