2006 Fiscal Year Annual Research Report
アフガニスタンにおける生活環境とジェンダーに関する総合的実態調査
Project/Area Number |
16252007
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
宮坂 靖子 奈良女子大学, 人間文化研究科, 助教授 (30252828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 雅美 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (10083057)
相馬 秀廣 奈良女子大学, 文学部, 教授 (90196999)
増井 正哉 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (40190350)
内海 成治 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (80283711)
小林 多寿子 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (50198793)
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Keywords | アフガニスタン / バーミヤン / 生活環境学 / 比較教育学 / ジェンダー学 / 地理学 / 社会学 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本年度は2回の現地調査を行った。第1回目は、平成18年4月26日から5月17日の間に、宮坂、内海、増井(以上研究分担者)、景平、岡野(以上研究協力者)が参加し、家庭生活、学校教育、村落構造に関する調査を行った。第2回目は平成18年度7月27日〜8月12日の間に、宮坂と内海が訪問し、家庭調査と学校調査を行った。両者ともに、バーミヤン州セントラルオブバーミヤン地区ドゥカニとヤカウラン地区バンデアミールという2地域をフィールドとし、バーミヤン大学の協力を得て調査を行った。調査目的は、第1に現地の家族構造やジェンダー、日常生活の実態を把握すること、第2に学校教育の実態や生徒の教育意識、教育環境を明らかにすること、第3に集落の空間構造の実態とそれを維持・管理してきたシステムの現状を明らかにすることである。 本年度の調査で明らかになった点は下記の6点にまとめられる。 (1)家族構造は、核家族と複合家族が主流であり、両者ともに親密な親族ネットワークの中に位置づけられている。 (2)性別役割分業と空間分離を特徴とするジェンダー構造が存在する。 (3)生活インフラが未整備なため家事労働の負担が重く、子どもが重要な労働資源となっている。 (4)ハザラ(民族)とサイイド(宗教的集団)の間には、就学構造に大きな差異がある。 (5)ハザラとサイイドの問にある教育の差異は、学校から自宅までの距離学校教育に対する親の態度、家庭の生活水準などの要因により規定されている。 (6)水路網が骨格となった集落構造が存在し、ハザラとサイイド間の棲み分けがなされている。
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Research Products
(4 results)