2005 Fiscal Year Annual Research Report
南北両極比較航空機観測による極域大気中エアロゾルの役割及び雲相互作用に関する研究
Project/Area Number |
16253001
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
山内 恭 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (00141995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 誠 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (40132716)
塩原 匡貴 国立極地研究所, 研究教育系, 助教授 (60291887)
平沢 尚彦 国立極地研究所, 研究教育系, 助手 (10270422)
橋田 元 国立極地研究所, 研究教育系, 助手 (00280537)
山形 定 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80220242)
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Keywords | エアロゾル / 雲 / エアロゾル雲相互作用 / 北極ヘイズ / スカイラジオメータ / マイクロパルスライダー / 国際研究者交流(ドイツ) |
Research Abstract |
北極域および南極域におけるエアロゾルの動態、その雲との相互作用、エアロゾルと雲の極域における役割、気候への影響を解明することを目的に本年度は以下の研究を進めた。 1.16年度5〜6月に、ドイツ、アルフレッド・ウェーゲナー極地海洋研究所の航空機2機と地上での同期観測として実施した北極対流圏エアロゾル雲放射総合観測(ASTAR 2004)による結果の解析を進めた。航空機による散乱係数、吸収係数は汚染の度合いの高かった北極ヘイズの活発な時期であったASTAR 2000の3〜4月の結果に比べいずれも低めの値が示された。また、地上では降水に伴うエアロゾルの除去過程が観測され、エアロゾルと雲の相互作用が類推された。 2.北極ニーオルスンで2000年から現在まで継続中のスカイラジオメータ観測データを解析した。全体の傾向として、春から夏にかけてエアロゾルの光学的厚さが減少する様子が見られた。このことは、これまでサンフォトメータの通年観測により報告されている結果と一致している。さらに、インバージョン法により得られた粒径分布は半径0.1um前後にピークを持つ小粒子と1um前後にピークを持つ大粒子の2つのモードが顕著であった。これまでの航空機観測や地上サンプリングの結果から、小粒子モードは主に硫酸性粒子、大粒子モードは主に海塩粒子で構成されているものと考えられる。 3.2004年より開始した全天カメラ観測と既存のマイクロパルスライダー観測のデータから雲量、雲種、雲高度を判別するスキーム開発に着手した。その結果、これらの合成データにより、雲の分布特性を定量的に調べることが可能であることが確かめられた。 4.南極昭和基地でのエアロゾル観測を継続し、大粒子やCN粒子の粒径分布依存性の季節変化をおさえた他、係留気球観測により境界層から自由大気へのエアロゾル分布の変化をとらえた。
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Research Products
(4 results)