2007 Fiscal Year Annual Research Report
南北両極比較航空機観測による極域大気中エアロゾルの役割及び雲相互作用に関する研究
Project/Area Number |
16253001
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
山内 恭 National Institute of Polar Research, 研究教育系, 教授 (00141995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 誠 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (40132716)
塩原 匡貴 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (60291887)
平沢 尚彦 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (10270422)
森本 真司 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (30270424)
原 圭一郎 福岡大学, 理学部, 助教 (10390593)
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Keywords | エアロゾル / 雲 / エアロゾル・雲相互作用 / 北極ヘイズ / 黒色炭素 / 内部混合 / 輸送過程 / 国際研究者交流(ドイツ、北極、南極) |
Research Abstract |
本年度は以下の研究を進めた。 1.平成19年3月から4月にかけて国際極年(IPY)2007-2008のPOLARCAT(地上・航空機・衛星観測による極域のエアロゾル)計画に呼応する、「北極対流圏エアロゾル雲放射総合観測(ASTAR2007)」がドイツを中心にヨーロッパ各国からの参加で実施されたが、本グループからはスバールバル・ニーオルスンにおいて地上検証観測をマイクロパルスライダー等で実施した。 2.16年度5-6月に北極域で実施したASTAR2004航空機-地上同期観測時のデータ解析がさらに進められ、北極ヘイズがなくなる春から夏にかけての北極大気の特徴、特に黒色炭素粒子が硫酸液滴に取り込まれた内部混合粒子が卓越すること、2000年に観測された春先3-4月の状況とは著しく異なることが明らかにされた。その他、スバールバル・ニーオルスンにおける地上観測から、清浄な北極大気でも、長距離輸送によるヨーロッパ陸域からの森林火災等の影響を受け、汚染層が到達する様が明らかにされた。 3.昨年度18年12月から19年1月にかけて、ドイツ、アルフレッドウェーゲナー極地海洋研究所(AWI)の航空機による南極域での「日独共同航空機大気観測(ANTSYO-II)」を実施したが、その結果の解析が進められた。同じ南極大陸沿岸域にありながら、西経側に位置するノイマイヤー基地周辺では、大気が南極半島側から輸送されることが多く、一方東経側に位置する昭和基地では、南大洋を越え南米大陸からの輸送が多いことが、エアロゾルの性質を特徴づけていること、さらに昭和基地近傍で内陸からの大気の中にも黒色炭素の多いエアロゾルが見られることが明らかになった。 以上を通じ、極域のエアロゾルにとって、南極・北極を通じ、大気の長距離輸送過程が支配的であることが明らかになり、気候影響音大きい黒色炭素の問題等も興味ある発展が期待される。
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Research Products
(4 results)