2006 Fiscal Year Annual Research Report
日仏共同ポリネシア海底観測・調査による上昇プルームの実態解明
Project/Area Number |
16253002
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Research Institution | Independent Administrative Institution, Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
深尾 良夫 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, センター長 (10022708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末次 大輔 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, グループリーダー (20359178)
塩原 肇 東京大学, 地震研究所, 助教授 (60211950)
羽生 毅 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (50359197)
杉岡 裕子 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (00359184)
一瀬 建日 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (60359180)
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Keywords | ホットスポット / スーパープルーム / 広帯域海底地震計 / 火山岩 / 潜航調査 |
Research Abstract |
1.上部マントル構造 本研究の広帯域海底地震波データとフランスの海洋島PLUMEデータを統合解析し、上部マントルのS波速度構造を推定した。ホットスポットの下には例外なく低速度異常が見られ、高温プルームの存在が示唆されるが、その深さはホットスポットによって異なる。マクドナルド、ソサエティホットスポットでは少なくとも200kmまで低速度異常が存在するが、ラロトンガなどでは100kmまでしか存在しない。 2.遷移層-下部マントル構造 本研究の海底地震データとPLUMBデータを統合解析し、P波到着時刻読み取りと観測点間のP波走時差測定を行った。このデータに既存観測網のデータをあわせてP波トモグラフィーを行い、遷移層一下部マントルP波速度モデルを得た。下部マントルの深さ1000km以深では直径1000-2000kmの巨大な低速度異常が存在する。深さ1000kmから600kmまでは低速度異常のサイズは小さくなり、一部でマントル遷移層を通じて上部マントルにつながっていることが分かった。 3.海底火山岩採取と分析 2006年10月に行われた調査航海において、フレンチポリネシアの三つの島の海底部で潜水船による潜航調査を行った。この地域の火山島の海底部を直接観察するのは初めての試みであったが、火山体にはサブマリンリッジと呼ばれる尾根状の構造が発達しており、その場での海底噴火活動が繰り返すことによって火山体が成長していったことが分かった。潜航中に採取された岩石試料を分析した結果、陸上に噴出したマグマとは異なる組成のマグマが見つかった。このことはプルーム内に物質的不均質が存在し、火山体の成長とともにマグマのソースが変化していったためと考えられ、同地域のマントルプルームの起源を理解するのに有用なデータが得られた。
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Research Products
(10 results)