2004 Fiscal Year Annual Research Report
バングラデシュにおける砒素除去槽汚泥の固化および自然浄化に関する研究
Project/Area Number |
16254003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
横田 漠 宮崎大学, 工学部, 教授 (90037888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 公子 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 講師 (00179805)
土手 裕 宮崎大学, 工学部, 助教授 (30264360)
馬場 由成 宮崎大学, 工学部, 教授 (20039291)
大榮 薫 宮崎大学, 工学部, 助手 (00315350)
宮武 宗利 宮崎大学, 工学部, 助手 (40315354)
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Keywords | バングラデシュ / 地下水砒素汚染 / 砒素除去装置 / 砒素汚泥の処分 |
Research Abstract |
1.研究の目的と方法 本研究の目的は、バングラデシュに設置した砒素除去装置から排出される砒素汚泥の処分方法を開発することであり、そのためにセメント固化と人口池での自然浄化について研究している。この1年間、現地において同装置の砒素除去性能を確かめながら、砒素汚泥タンクに貯蔵される砒素汚泥を日本に持ち帰り、汚泥の溶出試験とセメントによる固化実験を行っている。 2.研究結果と考察 1)砒素汚泥中の砒素含有量は20〜250mg/kgの範囲であり、周辺の地層中の砒素含有量は5〜10mg/kgに比べて、高濃度に砒素を含んでいた。砒素汚泥タンクには降雨時に周辺の地表面から泥が流れ込んでおり、汚泥中の93〜96%はシリカなどの土成分であった。汚泥はタンク底部から適宜、採取されている。従って、汚泥中の砒素含有量のばらつきが多いものとなっている。 2)溶出試験の結果は、砒素の溶出量は0.5〜6.5mg/kgであり、汚泥中の砒素含有量の0.3〜9.0%に相当した。換言すれば、砒素は90%以上も汚泥中に閉じ込められることが分かった。 3)10gの試料に関してセメントを2%と10%加えて、固化後に溶出試験を行った。それぞれ溶出量は0.5〜1.25mg/kg、および0.35〜0.85mg/kgとなり、セメント固化の効果は50%から65%みられた。 4)自然浄化に関しては池を掘削し、現在砒素汚泥タンクの上澄み液を流入させている。池中での砒素の動態については次年度から行う予定である。 3.結論 砒素汚泥は粉末状態でも、砒素は90%以上も汚泥中に閉じ込められることが分かった。したがって、同汚泥は砒素を強力にボンドしているといえる。従って、バングラデシュに将来、我国のような廃棄物処理・処分システムができるまでは、ポリバケツなどに貯蔵して地中に埋設しておくなどの処分が可能である、といえる。
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Research Products
(6 results)