2005 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク活動を通したアジアのまちづくりに関する計画論的研究
Project/Area Number |
16254004
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
藤井 敏信 東洋大学, 国際地域学部, 教授 (50165338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 雄造 東洋大学, 工学部, 教授 (60058120)
安 相景 東洋大学, 国際地域学部, 教授 (40307781)
高橋 一男 東洋大学, 国際地域学部, 教授 (70206796)
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Keywords | 都市計画 / 計画論 / コミュニティ開発 |
Research Abstract |
アジア大都市の市街地形成では、欧米諸国のような基盤整備先行の計画的な制御が比較的弱く、プロジェクト単位での整備の進行と、比較的緩やかな規制を基調にした急速な市街地の展開が一般的に見られる。そこには、次のような固有の特徴が指摘できる。すなわち、第一に、西欧の都市に見られるインナーシティの居住環境課題が顕在化していないこと、第二に、地方分権化の流れの中で制度的な改革が進められていること、第三に、行政の財政基盤が弱体な中でコミュニティやNGO、行政のパートナーシップにより自律的な環境形成が模索されていること、などである。 これをもとに本調査ではa)アジア大都市圏の特徴といえる「混住環境」の形成過程やその特性、b)低所得層の居住環境改善を目的としたコミュニティ開発の動向、c)低所得者の居住地における経済状況(貧困課題)、や環境衛生等に着目して研究を進めてきた。 今年度の成果については、第一に、アジアの定住環境のあり方について都市開発計画論、都市社会学の立場から多角的なアプローチを行って成果をまとめた。第二に、タイ・バンコクとアユタヤ、フィリピン・セブなどのフィールドを対象に現場の状況や課題を踏まえた事例調査により実証的な成果を上げることができた。特に、タイにおいては、フィールドとした地域での住民組織と安定的な協働体制を築くことができた。第三に、都市コミュニティの住環境の状況から発想した「混住環境」の再評価や、住民相互のネットワーク活動から得たまちづくりにおける「コミュニティネットワーク」の可能性について新たな知見を得ることができた。
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Research Products
(4 results)