2005 Fiscal Year Annual Research Report
ギリシア古代都市メッセネのアスクレビオス神域の建築及び考古学的国際共同調査
Project/Area Number |
16254005
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊藤 重剛 熊本大学, 工学部, 教授 (50159878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 保良 国士舘大学, イラク古代文化研究所, 教授 (70138171)
星 和彦 前橋工科大学, 工学部, 教授 (70269299)
林田 義伸 都城高等工業専門学校, 建築学科, 教授 (00149999)
横山 俊祐 大阪市立大学, 工学部, 教授 (50182712)
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Keywords | 古代ギリシア建築 / メッセネ / 現地調査 / ストア / 民家 |
Research Abstract |
現地調査 平成17年度の調査は、7月した下旬から9月上旬まで約40日間、古代メッセネのアスクレピオス神域およびその周辺地域において行なった。すでに調査許可を得ていたストア、神殿、セバステイオン、マヴロマティの集落などについて、3次元計測を行いデータを作成した。墓Aについては、平面図、立面図、断面図を1/50で作成し、民家については1/50の縮尺で平面図を採取した。 家型墓(墓A)については、アスクレピオス神域とは別にギリシア調査隊から調査の依頼があり、これに応える形で平面、立面、断面の実測を行い、併せて写真撮影を行なった。 また同神域の調査とは別に、この遺跡のあるマヴロマティ村において民家調査を行った。これは地中海地方の民家の一形式として、古代住宅と現代の伝統的住宅の共通点や相違点を比較することによって、地中海における住まい方の原理を探るための調査で、合計20世帯の図面を作成した。 研究内容と結果 アスクレピオス神域のストアについては、採取したデータをもとに設計法に関して分析した。その結果、神殿の正面幅を40ftとして始められ、その4倍として南北ストア160ft、柱間数22、東西ストア145ft20で基本設計が始められた。それから順次柱間寸法、柱高さ、オーダーの各部高さなどが決定された。 家型墓(墓A)については、残存状況が悪く復元については困難な状況であるが、他都市の例と出土遺物の考察から、南北約10mで高さ約2mの陸屋根の建物で、屋根の上に10人の彫像がのせられていたと考えられる。 民家については、民家と道路の関係についてバルコニーの形状や方向について調査し、コミュニティでの人間関係のあり方に、バルコニーが大きな役割を果たしていることが判明した。また、増改築にあたっては、セコンドハウス的な使い方が多くなってきていることが最近の傾向であり、そのため伝統的な住戸プランより、大きなリビングホールと小さな寝室の組み台わせのプランが増加していることが判明した。
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Research Products
(9 results)