Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 麻知子 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター, 琵琶湖環境研究部門, 部門長 (60237716)
金子 有子 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター, 琵琶湖環境研究部門, 主任研究員 (90280817)
安藤 元一 東京農業大学, 農学部, 准教授 (80339085)
矢部 徹 独立行政法人国立環境研究所, 生物圏環境研究領域, 研究員 (50300851)
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Research Abstract |
モンゴル国のオギ湖と,ツァガンノール小湖沼群とで2度目の沈水植物群落の調査を行うとともに,ロガー付き温度センサーを用いて夏の水温の日変動を調べ,水温環境と出現種類数との関係を調べた.湧水に近い湖沼や,大湖沼では水温が低く,多く沈水植物にとっては生育に適さないことがわかった. モンゴル,中国,カムチャッカ,および,日本国内13集団のリュウノヒゲモ試料について,葉緑体DNAのtrnL intron領域とtrnH-psbA spacer領域について塩基配列のシークエンスを行った結果,日本および近隣諸国に分布するリュウノヒゲモの葉緑体からは5つのハプロタイプが検出された.これらは,アメリカに分布する同種とは遠く異なる遺伝型であった.国内のフライウエイ中継湿地の中には,大陸と共通の遺伝型の割合が高い集団が認められ,水鳥による遺伝的交流の可能性が示唆された. コカナダモの繁茂が,河川に加えて,湖沼でも他の沈水植物を完全に駆逐した,という明らかな事例を確認することはできなかったが,沈水植物相が貧弱で希少種が出現する高標高および低温水域においては,他種に大きな影響を及ぼすことがわかった. 水鳥が実際に水草の種子を運ぶことを証明するために,オナガガモ12羽を捕獲,飼育し,種子入りのカプセルを給餌し,排出時間を計測した.また排出後の種子の発芽を観察した. タンチョウヅルの繁殖地でとして知られる中国黒竜江省のザーロン湿地で,センサーカメラを用いた哺乳類調査を行った.国内では,北海道に湿地について追加調査を行った. モンゴル,韓国,北海道の底生動物標本を整理し,同定を試みるとともに,各地の底生動物相に関する文献調査を行った.
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